この記事を書いた人
ライフコーチ&ヒプノセラピスト
Akiko
こんにちは。デンマーク在住のAkikoです。
デンマークも朝晩は気温が下がってきて、厚手のセーターが必要な季節になりました。
これからクリスマスに向けて、どんどん日が短くなり、暗い時間が長くなっていきます。
私は寒さには強いですが、これまでの海外生活でも太陽が燦々と降り注ぐ地域で暮らすことが多かったせいか、どんよりとした冬の暗さは苦手です。
日照時間が短くなるにつれて、前向きなメンタルを保つのが難しくなるからです。
そこで今回は、デンマーク人が長い冬にも負けず、やる気を出すために工夫している方法について書いてみることにしました。
”俺よくやったケーキ”の衝撃
やる気を出す方法と考えてみて、私が一番に思い出しのは、デンマークに来たばかりの頃に驚いた出来事です。
移住してきて1ヶ月くらい経ったある日、帰宅した夫が「今日は会社でケーキが出た」と話してくれたので、何のお祝いだったのかを聞いたところ、
「同僚が『僕よくがんばったなーと思って』って、みんなにケーキをご馳走してくれたんだよ」と。
しかも’God gået!’(よくやった!)というメッセージがチョコレートで書いてあったそう。
日本風に言えば、「俺よくやったケーキ」とでも言うのでしょうか!?
誰かのためでもなく、誰からでもない、自分が自分の頑張りを誉めるためのケーキ。
日本でも「自分へのご褒美」というのはありますが、この方は同僚みんなにも振る舞う太っ腹ぶりです。
当時、「いやいや、私なんてそんなすごくないですよ」という、謙遜が文化の大切な一部である日本から来たばかりの私は、すごく衝撃を受けました。
「そんなに大っぴらに自分を誉めるのー!?」って。何だか笑ってしまいました。
海外生活の楽しみって、こういう小さな驚きにある気がします。
調べてみたら写真がありました。「よくやった!ケーキ」。こちらはデンマークの誕生日の定番である人型のケーキです。
とはいえ、その後、その人はデンマークでもかなり強者の自分褒め上手であったことが分かるようになりました。デンマーク人は、人が何と言おうと自分がよしとすればよしという価値観を持つ人が多いので、自分の中でよくやったと思えばそれで満足する人が割と多いからです。もちろん人間ですから、上司や同僚からのポジティブ・フィードバックは大切ですが、自分で自分を認めるのが上手い人が多い印象があります。ですから、わざわざ「自分よくやったケーキ」を振る舞うことは一般的にはあまりないことです。
【デンマーク流】モチベーションを保つコツ
1. 好きを妥協しない
では、一般的にはどうやってモチベーションを保っているのでしょう?
まず第一に、自分の好きなこと仕事にしている人が多いという要素があります。何歳でもやり直し・学び直しをするのは普通のことなので、今している仕事が違うなと思えば、積極的に転職したりキャリアチェンジします。
一方で、日本より解雇される率は高いものの、永久的な雇用契約を結ぶ会社が一般的なので、安定を求める人であればそれを手に入れることも難しくはありません。興味や関心を満たしつつ、安心して働けて、その気になればキャリアチェンジも可能という、様々な欲求を満たせる労働環境にいると、自然にモチベーションが高い状態を維持できるのではないでしょうか。
私の息子を見ていると、自分らしさや好きを妥協せずに追求する姿勢は、子どもの頃から育まれているなと思います。前回の記事にも書いたように、デンマークには自分を大切にすることが他人を大切にすることにつながるという哲学があるので、教育の場でも子どもの個性が大切にされているのです。
若者がやりたいことを追求できる環境が保障されているために、大学に入ってから何度も専攻を変えることも珍しくありません。そのために若者が社会に出る年齢が上がり、納税者が増えないということが問題になるほど、自分らしさや「やりがい」と向き合うことが許されている社会というのは幸せだなと思います。
話が少し逸れましたが、やる気を出す方法の一つは、自分の「好き」を追求することだと言えます。
2. 小さなWinを小まめに祝う
やる気を出す方法のもう一つは、小さなマイルストーンをこまめに祝うことです。例えば仕事の場面では、プロジェクトの区切り目にプロジェクト・リーダーや上司が、朝ならデニッシュ、午後ならケーキを用意して、みんなでコーヒーを飲みながら、「いやー、みんなよくやってるよね。うまく進んでめでたいね」とお互いを労います。デニッシュ代やケーキ代はもちろん、会社の経費。私が初めてプロジェクトの予算を組んだ時、飲食費の割合が結構多くて驚いたのを覚えています。
また、日本のように、仕事が終わった後にみんなで飲みに行って祝うということはなく、必ず仕事の時間内にそういう場を設けます。ケーキを食べるのも仕事のうちということですね。
そういった場面では、家族や子どもの話、休暇に何をする予定かなどなど、プライベートな話題も普通に話し合い、とってもヒュゲリ(hyggelig=快適で暖かい感じ)です。のんびりした北欧のイメージに反して、仕事中は意外とインテンシブに働くデンマーク人にとって、30分のコーヒータイムは時間のロスと捉えることもできます。
けれども、チームメンバー揃ってプロジェクトが進んでいることを共通認識できて、お互いをより深く知るコミュニケーションの場を作ることで、チーム全体のモチベーションが上がり、前向きな雰囲気を作り出せるとしたら、30分という時間は安い投資といえるのではないでしょうか。
デンマークでは、自分の誕生日にケーキやお菓子を用意して周りの人に振る舞う習慣があるので、いくつかのプロジェクトのマイルストーンと誰かの誕生日、部門の朝食ミーティング…と重なると、毎週のようにデニッシュやケーキを食べているような感じになることも。
もしかして、行動そのものよりも甘いものとコーヒーがモチベーションupにつながっているのだろうか?と、これを書きながら思ってしまいました(笑)いやいや、本当のやる気を出す要因は、甘いものをつまみながらおしゃべりをすることにあるのかもしれません。人とのつながりや、相手を理解し、理解される安心感というのは、チームのためにも頑張ろうというモチベーションにつながりますから。
3. 1週間の中に上手にメリハリをつける
仕事だけではなく、プライベートでも同じです。日本のように祝日や季節の行事が豊かではないデンマークでは、日常の中にメリハリをつける小さな習慣が色々あります。
例えば、「金曜日のキャンディFredags slik」は、主にこどもが毎週金曜日にグミやキャンディなどの甘いものを貰って食べる習慣です。平日のおやつはニンジンやキュウリといった質素なものが多いので、甘いお菓子が出ると特別感があって、「週末がきたー!」という感じがします。家族みんなでキャンディをつまみながら、夜20時からのディスニーチャンネルを見たりすると、リラックススイッチが入るのを感じて、「うんうん、今週も頑張った」と自然に自分を褒める気持ちが湧いてくるものです。
きっと、やる気を保つためには、しっかり休むことも重要だと分かっているんですね。ですから、休日に仕事をする人はかなり稀です。
他にも、週末の朝には焼き立てパンを食べたりパンケーキを作ったりという、家庭ごとの定番があります。毎週同じで飽きないのかしら、と来たばかりの頃は思っていたのですが、今では「日曜日の丸パン目指して頑張ろう」というように、1週間を乗り切るモチベーションになっています。ある意味、日常の中に軽やかで小さな目標を自動的に設定しているような感じですね。
そんな風に、生活の中にリズムをつけるための儀式みたいなものを決めておくのも、やる気を出す方法として見習いたいなと常々思っています。
まとめ
いかがでしょうか?
皆さんも既に取り組んでいる工夫があったかもしれません。好きなことをとことん追求するとか、自分よくやったケーキを買うというのは難易度が高いかもしれませんが、日常の中にオンとオフの切り替え儀式を決めておいて、週末は思い切りだらだら過ごすとか、職場では小まめに成功を祝う機会を作るとかいったことは取り入れやすいと思います。
気持ちが沈みがちなこれからの季節、日々の中で意識的にハレの瞬間を作って、やる気を保ちながら乗り切りましょう。
RECOMMENDこちらの記事も人気です。
世界豆デーに考える〜摂りすぎに注意!大豆イソフラボンの摂取量
ジャーナリングで心も軽やかに!マインドフルにデトックスする方法
寒い◯◯が温める?温活効果バツグンの食べ物・飲み物10選
ヨガの深い呼吸で心も体も強く!免疫力を高める秘訣
【暮らしのアロマレシピ】 乱高下するホルモンバランスを整える
自分の温活スタイルを見つけるために、試してほしい“5つ”の事!
【シンママ♪の幸せレッスン01】幸せ迷子な私が世界で見つけたもの
女性向け!コンビニでも手に入る筋肉にいい食べ物ランキング