女性力を高めるおうち薬膳のススメ~春の養生~

薬膳
satomi photoこの記事を書いた人
ホリスティックアドバイザー
Satomi

皆さんは「薬膳」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?

なんとなく薬っぽい特別な食材を使って、面倒な調理法をする……なんてイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、薬膳とは本来「中医学の理論に基づき、食材や生薬を組み合わせてつくる料理や食事」のこと。

季節、身体の状態に合わせて、身体のバランスを整えるためにとるオーダーメイドの食事法なのです。

薬食同源(やくしょくどうげん)」という言葉もまた、多くの方が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

これは「生薬も食材もどちらも天然の物であり、根本的には同じ考えだ」という意味を表しています。

これらのことからも、本来私たちが持っている身体の力を上手に引き出して、調子を整える上で、普段の生活の中でどんな食材を取り入れていくのかということは、とても大切になってくるのではないかなと思います。

女性力を引き出して、女性性を高める

女性として生まれた私たちには、生まれながらにして備わっている力があります。

それは、身体と心を充実させ、健やかに生きる」ための力、卵巣や子宮を元気に若々しく保つ力=女性力です。

この女性力は、妊娠するためだけのものではなく、本来すべての女性が生まれ持つ「女性性」を活かすためにも大切なもの。

女性性が活きるようになると、自然と女性ホルモンのバランスも整い、婦人科系のさまざまな不調も改善すると言われています。

また、身体の衰えも緩やかになるので、更年期を楽に過ごせたり、いつまでもイキイキと若々しくいられたりと、女性にとっては本当に嬉しいことばかり。

女性力を高めて、女性性を活かすことが、さらに強く、美しく、健やかに生きることに繋がっていくと思います。

中医学からみる女性のカラダ

中医学では、女性は7年ごとに体質が変わっていくと考えられています。

21歳で女性として成熟のときを迎え、35歳を境になだらかな下り坂を下っていく。つまり、35歳から少しずつ老化が始まるということです。

この下り坂の曲線を少しでもゆるやかにしたい!
そんな私たちが大切にすべきなのは、生命の源の「精」と、潤滑油となる「血」と「気」。

「腎精」という言葉があります。
中医学では「腎」は ”生きるエネルギーを貯めている場所” と考えられています。

腎精とは、この腎に蓄えられたエネルギーのこと。

「精」とは精力という言葉もありますが、性ホルモンの働きを司る「腎」にも貯えられており、卵巣力や子宮力にも大きく関わることから「腎精」とも呼ばれています。

腎精を蓄えることは、下り坂の曲線をゆるやかにする鍵でもあります。

しかし、現代には女性力に欠かせない腎の力を落とす要素が、たくさんあります。それは、疲労。そしてストレスです。

それでは、簡単なチェックで今のあなたの状態を見てみましょう!

薬膳

あなたは何タイプ?簡単体質チェック

下の設問の中で、当てはまるものにすべてチェックを入れて、一番多く当てはまったタイプが現在のあなたの状態です。

A:パワー不足の気虚(ききょ)さん

□疲れやすく、風邪をひきやすい。病気になると、長引きやすい

□胃腸が弱い

□夏に弱く、夏バテをしやすい

□下痢、軟便傾向

□尿の色が薄い

B:血が足りない血虚(けっきょ)さん

□乾燥肌で小ジワが気になる

□髪つやがなく、枝毛になりやすい

□爪が薄い、割れやすい

□貧血になりやすく、めまいを起こしやすい

□不安感が強く、なかなか寝つけない

C:ストレス過多の気滞(きたい)さん

□イライラしやすい

□仕事や家庭が忙しいなど、慢性的なストレスが多い

□ゲップやガスが出やすい

□のどに異物感がある、もしくは息を深く吸えない

□便が不安定で、便秘と下痢を繰り返しやすい

D:血が滞った瘀血(おけつ)さん

□慢性的な肩こりがある

□クマ、しみ、そばかす、シミが気になる

□日焼け、傷跡がなかなか消えない

□冷えに敏感である

□便秘になりやすい

E:若さが欲しい腎虚(じんきょ)さん

□ささいなことも面倒くさく感じる

□抜け毛、白髪が増えた

□40代以上である

□耳鳴り、めまいがしやすい

□足腰がだるく、腰痛になりやすい

いかがでしょうか?

2つ以上のタイプが同じ数だった方は、複数のタイプを持っていると考えていただければOKです。

薬膳

女性性を高める、春の養生

春は始まり、目覚めの季節。
寒くちぢこまっていた身体も、暖かな陽気に伸びやかになり、新陳代謝も盛んで細胞も活性化していきます。

日本では、春になるとほろ苦い味や青い香りの山菜や、春野菜を目にする機会が増えてきます。

苦みは冬の間に体内に溜めこんだ老廃物を解毒し、外へと出そうとする身体の力を助けてくれます。

また、中医学では春はこころに不安を感じやすい季節でもあると考えられていることから、自律神経をつかさどり感情と密接に関わる「肝」も大事にするようにとされています。

「肝」がオーバーヒートすると、のぼせやめまい、興奮して眠れない、頭痛、イライラ、目の充血などの症状が出やすく、また消化器の働きも弱まり、身体がなんだかだるい、疲れやすいとったトラブルにも繋がりやすくなります。

「肝」を安定させるには、血を補う食材や、気の巡りを良くする香りの良いものをとることがおすすめです!

また、甘みのあるものを適度に取り入れることで、消化吸収力をアップさせることもポイントになります。

春に取り入れたい食材

すべての人に取り入れていただきたいのは、やはり先ほども出てきた、ふきのとう、たらの芽、菜の花、春菊などの、老廃物の排出効果のあるほろ苦い春野菜たち。

また、黒ゴマや貝、イカなどの血を補う食材や、生姜やネギ、コリアンダーなどの発汗作用がある食材もおすすめです。

タイプ別では

Aの気虚さんは、不足した気を補う

・さやえんどう、インゲンなどの豆類

・鶏肉

・あわ、きびなどの雑穀

Bの血虚さんは、不足した血を補う

・にんじん

・牛肉

・玄米

Cの気滞さんは、気の巡りを助ける

・しそ(ゆかり)、ミントなどの香りの良いもの

・玉ねぎ

・あさり

Dの瘀血さんは、血巡りを助ける

・小松菜

・イワシ

・黒米

Eの腎虚さんは、ベースをあげる

・きのこ類

・アスパラ

・クコの実

をいつもの食事にプラスすると良いと思います!

反対に

・脂っこいものや味の濃いもの

・酸味の強いもの

・エビや唐辛子などの身体を温めるもの

・お酒、コーヒー、チョコレートなどの刺激が多いもの

・トウガンやキュウリなどの身体を冷やすもの

の食べすぎには、注意をすることも大切になります。

また、アレルギー体質の方は、春の生ものやアクの強い山菜には注意をしておくと良いと思います。

薬膳

一年の始まり、春を軽やかに過ごす

春は年度の境目にあたり、多忙でストレスも多くなりやすい季節です。

だからこそ、まずはストレスを溜めこみすぎず、こまめに解消することが肝心になってきます。

デトックスを促す食材を取り入れてみたり、リラックスできるマッサージを行ったり、香りの良いものを生活に取り入れて気を巡らせたり、ストレッチなどのエクササイズを取り入れたりして、冬の冬眠から脱却し、軽やかに春を満喫していきましょう!

Food&Nutrition

薬膳
いいねしよう!
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
About Wellness To Go by Arisa

ウェルネスとは、「より豊かに生きるための方法や過程。そのために意識、気づきを高め、学び、チャレンジしていくこと」。“To go” は“お持ち帰り”という意味です。
このサイトに遊びにきてくれた人が、ピンときた情報を “お持ち帰り”して、1日5分でも10分でも忙しい日常から立ち止まって、自分と向き合う時間を作り、カラダとココロの状態に気づいたり、リラックスするヒントになったら最高です。皆さんのウェルネスの旅をここから一緒に始めていきましょう!

Read More