私たちの体には、様々な病気から身を守るシステムが備わっています。
免疫はそのシステムの中の一つの大切な防御システムです。
今日はその免疫・免疫力について学び、免疫力を高める効果のある「ヨーグルト」と、その選び方のコツをご紹介します。
免疫細胞の7割は腸に存在する
通常、腸について考えると「食べ物を消化・吸収する器官」というイメージが浮かびます。しかし、最近の研究により、腸が免疫の機能においても中心的な役割を果たす器官であることが明らかになりました。実際、免疫システムを担う免疫細胞の約7割が腸に生息しています。このため、「腸は最大の免疫器官」と呼ばれています。
では、なぜこれほど多くの免疫細胞が腸に存在するのでしょうか?
消化管は口から始まり、胃、小腸、大腸など1つの管でつながっています。この管の中心の空洞は外界と接しているため、腸は実質的に「体の外側」と言えます。このため、口から侵入したウイルスや病原菌など有害な物質に常にさらされています。もし腸がこれらをそのまま通過させ吸収してしまえば、有害な物質まで取り込んでしまい、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、腸には様々な免疫細胞や抗体が存在し、病原体や有害物質から体を守っています。
免疫力を高めるヨーグルトの働き
ヨーグルトは主に以下の3つの方法で、腸内環境を整え、免疫機能をサポートしてくれます。
①免疫細胞の活性化
ヨーグルトに含まれるプロバイオティクス(体に良い働きをする菌)とプレバイオティクス(体に良い働きをする菌たちのエサ)は、腸内で免疫細胞の活性化を促進します。これにより、免疫システムがより効果的に働くことが期待されます。
②炎症の軽減
ヨーグルトなどの発酵食品には、抗炎症作用がある成分が含まれています。炎症が軽減されることで、慢性的な炎症が免疫機能を低下させるのを防ぐ助けになります。
③栄養素の供給
ヨーグルトには、免疫機能の活性化に欠かせないビタミンD、免疫細胞の生成や維持に不可欠なたんぱく質などの免疫機能に必要な栄養素も含まれています。
免疫力を高めるヨーグルトの選び方
ヨーグルトを選ぶ際には以下の3つのポイントを意識してみましょう。
①糖分
砂糖や人工甘味料を含むヨーグルトは、免疫機能を弱める可能性があります。できれば無糖のヨーグルトを選び、必要に応じて天然の果物やはちみつを加えて甘味を足していただきたいです。
どうしても甘いヨーグルトが良い場合は、人工甘味料不使用の、砂糖の含有量ができるだけ少ないものを選んでみてください。
②添加物の有無
余分な添加物が入っていないヨーグルトを選びましょう。ヨーグルトは、牛乳と乳酸菌で作られています。それ以外の材料が使われていたら、理由を考えてみましょう。(コメントでも気軽に質問してください。)
③乳糖不耐症や乳製品のアレルギー
ヨーグルトを食べると、腹痛、下痢、膨張感、ガス、頭痛などの症状が出ることがあるなら、乳糖不耐症や乳製品のアレルギーを持っている可能性があります。体に合わないものを食べると、免疫力が下がってしまう可能性があります。乳糖不耐症や乳製品のアレルギーがある場合は、牛乳から作られているヨーグルトは避けることをおすすめします。
乳糖不耐症や乳製品のアレルギーがあるけれど、どうしてもヨーグルトを食べたいという方は、植物由来のヨーグルトを試してみてください。最近は、豆乳やアーモンドミルクを使用した乳製品不使用のヨーグルトも手に入れやすいです。ただし、牛乳から作られたヨーグルトと乳製品不使用のヨーグルトに含まれる栄養素は異なります。
まとめ
近年、体の免疫力を高めために、腸内免疫の重要性が明らかになっています。腸には免疫細胞の約7割が集まっており、「最大の免疫器官」と呼ばれています。その理由は、腸が外部環境と直結しており、侵入する病原体に対抗する最前線に位置しているからです。
ヨーグルトは、腸内環境を整える助けをすることで、腸内免疫をサポートしてくれます。バランスのとれた食事に、ヨーグルトのような発酵食品を加えることで、腸内免疫を整え、健康な免疫システムを維持することができます。
カナダで大学卒業後、健康志向の高い都市バンクーバーに移住したことで栄養や体の仕組みに興味を持ち、栄養学とピラティスを学びました。その後、栄養学校で身につけた知識を使い体質改善に成功し、幼少期から付き合ってきた数々の不調を改善することに成功しました。現在は、ホリスティック栄養士として、企業向けに栄養関係のコンテンツ作成、ナチュラル食品•製品の開発やマーケティングのアドバイスなどをしています。地球にも人にも優しいナチュラル製品が大好きで、美容家の間で噂のエイジングケアオイル、抗酸化作用がたっぷりの「カカイオイル」を販売しています。
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