この記事を書いた人
ホリスティック栄養士
Eriko
冬も終わりに近づき周りの景色が少しづつ色鮮やかになってきました。今年の冬は寒さが厳しかったので春の訪れが待ち遠しいという方は多いのではないでしょうか。
しかし、花粉症で悩んでいる方にとっては、春のサインは喜ばしいものではないのではないでしょう。花粉症の不快な症状は、日常生活に支障をきたしたり、生活の質を下げることも少なくありません。
はっきりしたデータはないものの、年々スギ花粉症は増加しており、日本アレルギー協会の行った調査では日本国内で20%以上の人がスギ花粉症かかっているという報告がされています。(厚生労働省ウェブサイトより)
花粉症用のマスクでは花粉が約1/6、花粉症用のめがねでは1/4程度に減少することができるそうです。また、薬でも症状を緩和することができます。ただそれは一時的に症状を和らげるだけで花粉症を根本的に治すものではありません。
花粉症が起こる仕組み
花粉症などのアレルギーは、免疫システムが花粉などの異物に過剰に反応することで起こります。
免疫システムの中には、異物を排除する働きをする免疫細胞と異物への反応が過剰にならないように抑える働きをする免疫細胞があり、お互いの働きを抑制し合うことでバランスをとっています。バランスが崩れると免疫反応(くしゃみや鼻水など)が過剰になります。これが花粉症です。
腸内環境を整えて花粉症を解決?
近年、私たちの腸内に住んでいる善玉菌の中には、異物に過剰に反応する免疫細胞の働きを抑えることで、アレルギーの症状を緩和してくれるものがあることがわかってきました。
腸内環境が、免疫システム、思考やメンタルヘルス、食欲や睡眠などに深い影響を与えることは広く知られていますが、それだけでなく、免疫反応のバランスを整える働きもあるなんて、腸内環境が私たちの体と心に与える影響の幅広さと大きさには驚きです。
免疫反応のバランスを整える善玉菌
免疫細胞の7割ほどが、腸に存在すると耳にしたことのある方も多いと思います。腸内環境と免疫システムには密接な関わりがあります。
腸は私たちの体に必要な栄養素を吸収し、有害な毒素やウイルス、細菌などは体内に入れないようにして体を守ってくれています。
最近の研究で、発酵食品に含まれているいくつかの菌を数週間摂取することで、花粉症の症状が和らいだことが発表されています。花粉症の症状を和らげる働きを持つ代表的な菌を2つ紹介します。
①Lactobacillus acidophilus L-92
過去2年以上花粉症の症状を自覚している人たちをLactobacillus acidophilus L-92を含む食品を2週間とり続けるグループとLactobacillus acidophilus L-92を含む食品はとらないグループにわけました。その結果、Lactobacillus acidophilus L-92をとり続けたグループの方がくしゃみの回数や目のかゆみが低かったという結果がでました。
②酪酸生産菌
花粉症患者は体内で酪酸をつくる酪酸生産菌が減少していることが明らかになりました。酪酸生産菌の減少は免疫システムのバランスを崩し、過剰な免疫反応を起こす原因となることがわかっています。また、酪酸生産菌の摂取でアレルギー症状が緩和したことが研究で発表されました。
腸内環境を整えて花粉症を解決する方法
腸内環境を整える方法については、このブログにもまとめてあります。こちらもぜひ読んでみてください^^
①腸内の善玉菌を増やす食材をとる
腸内の善玉菌を増やす食品については、何度も話していますが、代表的なのは発酵食品です。なぜ、発酵食品が良いかというと、発酵食品には以下の3つが全て含まれているからです。
1. 腸内の善玉菌のエサとなる食物繊維や糖
2. 体に良い栄養を作り出す善玉菌
3. 善玉菌が作り出した体に良い働きをする栄養素
②腸内の善玉菌を減らすものを減らす
腸内細菌を減らすものにはこんなものがあります
・農薬のかかっている野菜や果物
・抗生物質または必要以上の抗生物質を与えて育てられた動物のお肉
・精製された砂糖
・人口調味料、保存料
・お酒
全て避けられれば良いですが、徹底的に取り除こうとしてそれがストレスになってしまっては、それも腸内環境にはよくありません。
ホリスティックなアプローチ(例1: 農薬のかかっている野菜や果物)
無農薬の食材だけを食べるのはほぼ不可能ですし、無農薬の食材ばかりではお金もかかります。(ちなみに、今回は詳しくは話しませんがオーガニック食品は無農薬ではありません。)
無農薬の野菜や果物が手に入らない場合は、出来るだけ農薬を使っていない地元の野菜や果物を選ぶと良いです。 また、しっかりと洗うことで農薬を落とすことができます。
小さじ1~2杯の重層を入れたボールに野菜や果物を1分浸けてから洗うことで、農薬を落とすこともできます。
ホリスティックなアプローチ(例2: 抗生物質)
抗生物質には細菌を殺す働きがあるので体内で悪さをしている細菌を退治するのには効果的です。しかし、同時に良い働きをしている善玉菌も殺してしまいます。
抗生物質をとるときは、プロバイオティクスサプリメントを摂取することで抗生物質による腸内の善玉菌の減少を防ぐことができます。プロバイオティクスサプリメントをとる場合は専門家に相談し、できるだけ質の良いものを選んでください。また、プロバイオティクスサプリメントと抗生物質を同時にとると、お互いの効果がかき消されてしまうので、プロバイオティクスサプリメントは抗生物質の服用から2時間空けましょう。サプリメントに頼らずに、発酵食品を意識して、バランスの良い食事をするのも良いですね。
抗生物質は多くの命を救ってきた素晴らしい発明品ですが、現代人は抗生物質を乱用しがちです。風邪のようなウイルスによる感染症に、抗生物質は効きません。必要な時に必要な量をとるために、正しい知識をつけておきたいです。
③食事だけで解決しようとしない
ストレス、睡眠不足、飲みすぎなどでも花粉症が悪化するので、食事や外部からのケアだけでなく、規則正しい生活、運動や瞑想などを利用してストレスを上手く付き合う方法を見つけるのも大切です。
食事以外でも体と心のバランスを整えるようにしていると、腸内環境を健康に保つ食事法を習慣にし、長く続けやすくなります。
腸内環境を整えること以外でも共通して言えることですが、ひとつのことだけをやっていても上手くいきません。「食事だけ」「運動だけ」「ストレスマネージメントだけ」などと何かひとつに取り組んでも、最初は調子がよくなっても長続きしません。
とは言っても、一度に全てやろうとするのも効果的ではありません。ハードルを上げ過ぎずに、まずは取り組みやすそうなことだけやってみたり、腸内環境を整える方法を何個も書き出しておいてどれでも良いので1日1つはやるようにするのも良いでしょう。
完璧を目指しがちな人は「食事バランスは崩れでしまったけど運動はできた」というように、できなかったことよりもできたことに注目してみてくださいね。
ホリスティックなアプローチを忘れずに。
(注意)処方された薬は自分の判断で勝手にやめないようにしてください。
カナダで大学卒業後、健康志向の高い都市バンクーバーに移住したことで栄養や体の仕組みに興味を持ち、栄養学とピラティスを学びました。その後、栄養学校で身につけた知識を使い体質改善に成功し、幼少期から付き合ってきた数々の不調を改善することに成功しました。現在は、ホリスティック栄養士として、企業向けに栄養関係のコンテンツ作成、ナチュラル食品•製品の開発やマーケティングのアドバイスなどをしています。地球にも人にも優しいナチュラル製品が大好きで、美容家の間で噂のエイジングケアオイル、抗酸化作用がたっぷりの「カカイオイル」を販売しています。
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