生理前になると感じる体のだるさや、気分の抑うつ、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか?食事、生活習慣から見直してみませんか?
PMSってなに?
PMSとはPremenstrual syndromeの略で、月経前症候群とも呼ばれます。生理の1〜2週間前に起こる体の不調のことで、腹痛や浮腫、便秘や下痢、頭痛や胸の張り、性欲の減退、食欲の増加、体重増加、疲労感、気分の浮き沈みが激しくなったり、怒りっぽくなったり、鬱状態になるなど、症状は人それぞれです。
70%ほどの女性がPMSを体験したことがあるそうです。私の周りにもPMSで悩んでいる人がたくさんいます。酷い場合は学校や仕事に行けないなど、生活に支障をきたすことも。。。
体質だからと諦めている人が多いですが、実は生活週間の改善で症状を和らげられることが多いんです。もちろん遺伝や他の病気が原因の場合もあるので、症状が酷い場合や生活週間を改善しても良くならない場合は一度婦人科へかかる事をお勧めします。
PMSの原因とは?
原因は1つではありませんが、女性ホルモンであるエストロゲンの過剰や栄養バランスの崩れとPMSは大きな関係があると考えらえています。
エストロゲンが過剰になる原因には、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の摂取、環境、ストレスや生活習慣の乱れによる肝臓機能の低下があげられます。大気汚染やタバコの煙、腸内環境の乱れ、便秘などは、体の中に毒素が増える原因です。体の中に毒素が多いと、それらを解毒するために肝臓の仕事が増えます。
肝臓が正常に働いていれば、内分泌かく乱物質の摂取などにより過剰になったエストロゲンを排除してくくれますが、肝臓の働きが弱っていると過剰なエストロゲンが体の中にとどまり、ホルモンバランスが崩れてしまいます。
また、甲状腺機能の低下、副腎機能の低下もホルモンバランスを崩します。ホルモンのバランスが崩れ、十分な量のセロトニンが得られないと、不安や恐れを感じたり、うつ状態になることがあります。
昔から、PMSは偏った食生活や栄養素の代謝がうまく出来ないことが原因であると考えられてきました。栄養バランスの崩れとPMSの症状を、以下のように4種類に分ける見方もあります。
4種類のPMS
PMS A “Anxiety”(不安)銅の過多、亜鉛不足により、感情の起伏が激しくなる
PMS D “Depression” (鬱) セロトニン不足で、恐れを感じたり、忘れっぽくなったり、酷い場合は自殺願望が起こる
PMS C ”Cravings for food”(食欲増加)インシュリン過多、セロトニン、またはマグネシウム、プロスタグランジン不足によって、甘いものや脂っこいものへの欲求が高まる
PMS H ”Heaviness/Headach” (体が重い/頭痛) アルドステロンの量が増え、浮腫や体重増加、お腹が張る
参考:Nutritional Pathology 3rd edition By Dr. Brenda Lessard-Rhead
生理前になると甘いものや脂っこいものが食べたくなりがちですが、欲求のままに栄養のあまり無いものを食べるよりも、しっかりと栄養バランスのとれた食事をすることで甘いものや脂っこいものへの欲求がなくなるかもしれません。
ジャンクフードや甘いお菓子に手を伸ばす前に、まずは栄養のあるお肉やお魚をたっぷりの野菜と食べてみましょう。そこまでお腹が空いてない時は、ナッツや種子類、くだものをお腹に入れてみてください。それでも満足できない時は、我慢せずに食べたいものを食べましょう。体により良いものをまず先に選び、その後で心を満たすものを少しとりましょう。
こうすることで、ジャンクフードや甘いものの食べ過ぎを防ぐことができます。我慢はストレスになるし、食べたらだめだと考えると余計食べたくなるものです。
PMSの症状を和らげるには?
PMSの症状を和らげるには、肝臓に優しい食生活をし、甲状腺機能や副腎機能の低下の大きな原因であるストレスとうまく付き合えるようにすることが大切です。
食事面では、肝臓に良い食べ物やストレスによって不足しがちなマグネシウムやセロトニンの材料となるトリプトファンを豊富に含んでいる食材を積極的にとることが有効です。
生活面では、ストレスの原因をできるだけ取り除き、ストレスとうまく付き合えるように自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
肝臓に良い食べ物
食物繊維たっぷりの野菜、穀物、豆類など
ルッコラ、ゴーヤ、タンポポの葉などの苦い野菜
生姜、ごぼう
オーガニックやグラスフェッドの抗生物質を与えられずに育てられた牛や鶏、豚のお肉
新鮮な天然のお魚
カフェインの入っていないお茶
発酵食品
朝一番にコップ一杯の白湯にレモン半分を搾ったものを飲むと、肝臓の働きを高めることができます。
マグネシウムを豊富に含む食材
穀物、ケールやスイスチャードなどの緑の葉野菜、豆類、ナッツ、ゴマやヘンプシードなどの種子類、魚
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セロトニンの材料となるトリプトファンを豊富に含む食材
納豆や味噌、醤油などの大豆製品、バナナ、肉や魚。動物性の食材から取る場合は糖質ととると吸収率が上がります。
トリプトファンの合成に必要なビタミンB6を豊富に含むにんじんや鶏肉、サーモンやさばなども忘れずにとりましょう。
PMSの症状を和らげるためにできるだけ避けたい食べ物
加工食品
化学調味料
人口甘味料
アルコールやカフェインの入った飲み物
トランス脂肪酸や部分水素添加油脂(マーガリンやショートニングなど)
オーガニックやグラスフェッドのお肉には抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸がオーガニックでないものよりも多く含まれています。白米よりも雑穀米や発芽玄米、白いふわふわの食パンよりも100%全粒粉を選んだ方がより多くの栄養素がとれますし、血糖値を急上昇させません。
全ての人に会う食事なんてないけれど、野菜をたっぷり、良質の脂質やたんぱく質と一緒に、できるだけ精製されていない炭水化物を適量。これらをシンプルに調理して食べるのが1番の健康食ではないかなと思います。
PMSの症状を和らげるために、食事の改善以外にできること
ストレスは肝臓、副腎、甲状腺などのホルモンバランスを正常に保つために大切な機関に負担をかけます。でも、ストレスの原因をなくすことってなかなか難しいですよね。1つの原因をなくしてもまた違うストレスの種が現れます。
無理にストレスをなくそうとするよりも、上手くストレスと付き合っていく方法を見つけることが大切です。
適度な運動
激しすぎる運動は逆に体の負担になります。ヨガやジョギング、テニスなど、自分に合ったものを見つけましょう。運動が苦手だったり、体力のない人は散歩やストレッチから始めて見ましょう。
瞑想
瞑想はストレスマネージメント、不安や心配をとりはらったり、集中力を上げるのにもとても良いです。
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日記をつける
自分の気持ちをより深く理解することができ、頭の中の思考を書き出すことですっきりし、ストレス解消になるかもしれません。
食事と生活習慣を見直して、辛いPMS無しの快適な毎日を過ごしたいですね^^
カナダで大学卒業後、健康志向の高い都市バンクーバーに移住したことで栄養や体の仕組みに興味を持ち、栄養学とピラティスを学びました。その後、栄養学校で身につけた知識を使い体質改善に成功し、幼少期から付き合ってきた数々の不調を改善することに成功しました。現在は、ホリスティック栄養士として、企業向けに栄養関係のコンテンツ作成、ナチュラル食品•製品の開発やマーケティングのアドバイスなどをしています。地球にも人にも優しいナチュラル製品が大好きで、美容家の間で噂のエイジングケアオイル、抗酸化作用がたっぷりの「カカイオイル」を販売しています。
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