外の灼熱の暑さ。さらには室内の涼しすぎる冷房。
みなさんこの季節、体がだるくなったり疲れがちになっていませんか?
そこには自律神経が関係しています。
自律神経は、体内のさまざまな機能を無意識に調整する神経系です。
交感神経と副交感神経の2つから成り立ち、両者がバランスを保つことで体の状態を最適に保つことができます。
ただしこのバランスが崩れると、さまざまな体調不良が起こります。
夏の終わりはどうしても自律神経が乱れがち。
今回はこの「自律神経」のしくみをよく知り、さらに“食事面”から健康的に自律神経を整えるために、具体的に避けたい食べ物についてご紹介します。
そもそも自律神経って?
自律神経は、体内のさまざまな機能を無意識に調整する神経系です。
具体的には、呼吸、心拍、消化、体温調節などの基本的な生命活動をコントロールしています。
この自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成り立ち、両者がバランスを保つことで体の状態を最適に保つことができます。
交感神経: 活動や緊張時に活発になり、心拍数の増加や血圧の上昇を引き起こします。
副交感神経: 休息時やリラックス時に活発になり、消化を促進し、心拍数を低下させます。
このバランスが崩れると、さまざまな体調不良が起こります。
例えば、ストレスが多い生活を送っていると交感神経が過度に活発になり、慢性的な緊張状態が続くことで、不眠や消化不良、免疫力の低下といった健康問題を引き起こすことがあります。
逆に、副交感神経が優位になりすぎると、倦怠感や低血圧、集中力の欠如などが起こることもあります。
したがって、自律神経のバランスを整えることは、心身の健康を維持し、生活の質を高めるために非常に重要です。
日常のストレスを軽減し、バランスの取れた食事を心がけることが、健康な自律神経を維持するための鍵となります。
自律神経を整えるために避けたい食べ物
①精製された糖類
白砂糖などの精製された糖類は、血糖値を急上昇させ、その後急降下させるため、エネルギーの急激な変動を引き起こします。
これが自律神経にストレスを与え、心身のバランスを崩す原因となります。
お菓子、ケーキ、菓子パン、炭酸飲料などの白砂糖を大量に含む食品は控えめにとるようにしましょう。
「体に良くないのはわかっているけどどうしても食べたい!」という時は、たんぱく質や良質な脂質を含む食事の後に、デザートとして少量とると、甘いものだけを食べた時よりも血糖値の上昇が緩やかになります。
または、ほぼ糖質でできているものよりも、たんぱく質、良質な脂質、食物繊維を多く含む食材を選ぶと良いです。
パンを例にすると、シンプルな揚げパンは砂糖と小麦粉のかたまりなので、血糖値を急上昇させやすいです。
自律神経を整えたい時は、血糖値の上昇を緩やかにする助けをしてくれる食物繊維が含まれる、ライ麦、全粒粉、小麦の表面の皮の部分であるふすまを使ったパンや、たんぱく質や脂質を含む甘くないお豆、チーズ、お肉入りのパンを選ぶと良いです。
お米を食べるなら、たまご、肉、魚、豆腐、納豆、煮豆などのたんぱく質ふ含むおかずと一緒に食べたり、ご飯にお豆や雑穀を混ぜることでも血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
血糖値を上手にコントロールすることで、自律神経のバランスを整えることができるだけでなく、食後の疲れや眠気、感情の乱れ、甘いものへの欲求などもなくすことができるかもしれません。
②加工食品
加工食品には、時間が経っても味や見た目が落ちないように、そして長持ちするように、多くの添加物や保存料が含まれていることが多いです。
これらの添加物や保存料は、自律神経に悪影響を与えることがあります。
賛否両論ありますが、味の素という名前で知られているグルタミン酸ナトリウムは、うま味調味料としてそこら中で使われています。
さまざまな研究で安全で体に悪い影響はないと結論づけられていますが、頭痛や不安感を引き起こしたり、腸内環境や自律神経を乱す原因になるという考えも少なくありません。
北米ではグルタミン酸ナトリウムを使用していないレストランや食品が多く存在し、スーパーマーケットで買い物をしていてもグルタミン酸ナトリウム不使用の表示をよく目にします。
加工食品は便利ですが、栄養価が低く、自律神経に悪影響を与える物質を含んでいることもあります。
ファーストフード、インスタント食品、缶詰などの加工食品の利用は最小限にし、できる限り素材の形に近い食品をシンプルな味付けや調理法で食べると良いです。
③カフェイン
カフェインは中枢神経を刺激し、過剰摂取すると自律神経に悪影響を与える可能性があります。
カフェインが含まれるコーヒー、紅茶、緑茶、エネルギードリンクなどを過剰に摂取すると、心拍数の増加や不眠症、神経過敏を引き起こすことがあります。
カフェインを含む飲み物は、自分の体に合う量を知っておき、飲み過ぎないようにしましょう。
また、カフェインは体内に12時間残ることもあるので、カフェインを含む飲み物はできるだけ午前中に飲むようにすると良いです。
多くのエネルギードリンクには、大量のカフェインと砂糖が入っているので、どんな状況でも私はおすすめしません。
エネルギードリンクが必要だと感じたら、睡眠の質、ストレスマネジメント、食事の仕方(特に血糖値を急上昇させる食事をしていないか)を見直してみてください。
コーヒーやお茶などのカフェインを含む飲み物には多くの健康効果もあると考えられていますが、自律神経が乱れていると感じたら、一度飲む量を減らしたり、休憩してみてください。
コーヒーや紅茶の代わりに、カフェインを含まないハーブティーを楽しんだり、お水にフルーツやハーブを入れてインフューズウォーターを作るのもおすすめです。
私のおすすめは、温かくても冷たくても美味しいルイボスティです。
ジャーマンカモミールティにほんの少しミルクを入れて、ミルクティにしても美味しいですよ。
④アルコール
アルコールは一時的にリラックス効果があるように感じますが、長期的には自律神経を乱す原因となります。
アルコールを飲むと良く眠れると思っている方も多いですが、実はアルコールは眠りにつくのを助けても、睡眠の質を低下させ、翌日の疲労感やストレスを増加させます。
適度な摂取を心がけ、頻繁に飲む習慣は避けるようにしましょう。
アルコールを飲む時は、アルコールの2倍の量のお水を一緒に飲むようにすると良いです。
お酒の代わりに、コンブチャやフルーツ入りのスパークリングウォーターはどうですか?
⑤トランス脂肪酸
魚やナッツ、アボカドなどに含まれる脂質は、心身の健康に欠かせませんが、トランス脂肪酸は、心臓病や炎症を引き起こすリスクを高めるだけでなく、自律神経にも悪影響を与えることが知られています。
アメリカやカナダでは禁止されていますが、日本ではアメリカやカナダに比べて脂質の摂取量が全体的に低いという理由で、未だにトランス脂肪酸がパン、お惣菜、スナック菓子、スイーツなどあらゆる食品を作るのに使われています。
私は、大手のコンビニやスーパーで必ず見かける子供が食べるお菓子や、デパ地下で行列のできる立派なパッケージに包まれた商品にもマーガリンやショートニングが使われているのを見るたび、複雑な気持ちになります。
あらゆるところで使われているので完全に避けるのは難しいですが、お惣菜や外食を利用する頻度を減らし、自炊をすることで摂取量を大幅に減らすことができます。
家庭では、マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸含む調味料や食材を避け、調理には高温調理にも強い良質な太白胡麻油、エクストラバージンオリーブオイル、アボカドオイル、ココナッツオイル、バター、ギーなどを使うと良いです。
⑥塩分の高い食品
塩分の高い食品は血圧を上昇させ、心臓に負担をかけることで自律神経を乱す原因となります。
ジャンクフード、漬物、加工肉、外食時の食事などの塩分の高い食品はできる限り避け、できる限り素材の形に近い食品を使ったシンプルな食事を心がけましょう。
みなさんは、普段どんなお塩を使っていますか?
塩には、食卓塩のように過度に精製されたお塩とミネラルが豊富に含まれる天然塩があります。
食卓塩は99%以上が塩化ナトリウムというミネラルでできており、それ以外のミネラル分がほとんど除去されています。
食卓塩には、ほぼ1種類のミネラルしか含まれていないため体のバランスを崩しやすいです。
天然塩には、塩分を排出する働きのあるカリウムというミネラルやリラックス効果のあるマグネシウムなど、さまざまな種類のミネラルがバランス良く含まれています。
お塩を選ぶ時は食卓塩のような過度に精製されたお塩ではなく、体のバランスを崩しにくい天然塩を選ぶと良いです。
また、お塩は住んでいる土地の近くで作られたものを選ぶと、体内のミネラルのバランスが整いやすくなると言われています。
普段調理に使う塩は、国内で生産されているものの中からお気に入りのものを見つけると良いかもしれません。
私は、たくさん使う調理用のお塩にはそんなに値段の高くないヒマラヤ岩塩や海塩を選んでいます。
そして、それとは別にこだわりたい時や最後の味付け用にこだわりのお塩コレクションを持っています笑
日本で手に入るものでは、マグネシウムが豊富に含まれる沖縄の雪塩が大好きです。
まとめ
自律神経を整えるためには、バランスの取れた食事が不可欠です。
今回紹介した避けたい食材を意識し、できる限り素材の形に近い食品を選びシンプルな調理法や味付けで食べることで、自律神経のバランスを保つことができます。
そして、何を食べるか、食べないかはとても大切ですが、どのように食べるかもとても大切です。
落ち着ける空間で、ストレスを感じずに、ゆっくり噛んで、食事を楽しむことも、自律神経のバランスを保つのに欠かせません。
自律神経のバランスを整えることで、長い間悩みの種であった不眠や消化不良が解消されたり、病気にかかりにくくなったり、エネルギー量や集中力が上がったりといった、体と心の変化を感じられるかもしれません。
定期的に食生活を見直したり、普段から自分の体と心の声に耳を傾けるのを忘れないようにしましょう。
カナダで大学卒業後、健康志向の高い都市バンクーバーに移住したことで栄養や体の仕組みに興味を持ち、栄養学とピラティスを学びました。その後、栄養学校で身につけた知識を使い体質改善に成功し、幼少期から付き合ってきた数々の不調を改善することに成功しました。現在は、ホリスティック栄養士として、企業向けに栄養関係のコンテンツ作成、ナチュラル食品•製品の開発やマーケティングのアドバイスなどをしています。地球にも人にも優しいナチュラル製品が大好きで、美容家の間で噂のエイジングケアオイル、抗酸化作用がたっぷりの「カカイオイル」を販売しています。
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