「忘れるメカニズム&記憶するための最適なタイミング」

この記事を書いた人
目標・課題達成コーチ、英語講師
Yasuyo

「記憶しておきたいのに、忘れてしまう」「せっかく覚えたのに、すぐ忘れる」

みなさんが何かを学ぶ上での障害は、習ったことを忘れてしまうことではないでしょうか?

私が英語教室で教えている生徒からも「どうやったら単語を覚えられるの?」「せっかく覚えたのにすぐ忘れるから嫌になる」などの訴えがしょっちゅうで、記憶できるか否かが、勉強のモチベーションに関わっていることを実感しています。

そこで、今回は脳の仕組みを理解して覚えたいことを記憶、暗記できるようになる方法などを紹介します。

忘れるメカニズム

人の記憶は1時間で半分、1日で7割忘れるようになっています。

実は、忘れるのは普通のことであると証明されていて、忘れるまでの時間と記憶の関係を表にした、エビングハウスの忘却曲線が知られています。これによると、人の脳は1度勉強したことを1時間後には56%忘れ、1日後には74%忘れ、1週間後には77%忘れ、1か月後に79%忘れると言われます。このように「人間の脳はいかに忘れやすいのか」がわかります。なんだか、辛くなってきますね。

注:この実験で使用されたのは相互に関連を持たない無意味な音節で、学問などの体系的な知識では、ここまでひどくはないそうです。

多くの人が悩む「忘れる」という機能は、脳の中にある「海馬」という部分が大きな役割を担っています。

「海馬」は、毎日入ってくる膨大な量の情報の「記憶の整理をする」働きがあり、情報が必要か必要でないかを決めてくれています。

海馬によって不必要と判断された情報は「忘れる」ことで、記憶が整理され、必要な記憶を引き出せるようになっています。「忘却なくして幸福はない」byアンドレモーロア、これは恋愛の話・・・

記憶力を上げる方法

・3種類の記憶

記憶は大きく分けると「長期記憶」「短期記憶」「感覚記憶」の3つがあります。

海馬に「必要」とされると「長期記憶」に入り、長期記憶になったものはいつでも取り出しができる記憶になります。

・繰り返し復習することで長期記憶になる

たった1度勉強した後の記憶は忘却曲線に沿って簡単に忘れていきます。でも、何度も繰り返して記憶した場合は、すぐに忘れることはないという事がわかっています。例えば、5回復習した時の忘却曲線は緩やかになります。

人は繰り返し復習することで、記憶を強めることができ暗記してしまえるのです。忘却曲線によると、記憶してから24時間の間に急激に忘れてしまうことがわかりますが、その後は緩やかになり、1か月後にほぼ0になります。

・復習する最適なタイミング

人は学習してから1日後に77%も急激に忘れてしまうことから、24時間以内に1回目の復習をするのが大切なのがわかります。

記憶したものを復習し、暗記してしまう最適間隔、復習する時間の長さは下表

復習回数復習のタイミング復習にかける時間(記憶を100%に戻すとき)
1回目24時間以内に10分
2回目1週間後5分
3回目1か月後2-4分

                        カナダ、ウオータールー大学の研究より

これは何も知識のないところから1時間の学習を行った後の復習の仕方です。

こんなに短時間でもタイミングよく復習すると「長期記憶」にすることができるのです。

・復習の方法・暗記のプロセス

インプットしたことを最初はさっと大まかに記憶する(情報を「短期記憶」に保持する)

→理解していく(テキストや資料をよく読むなどして一定のルールなどに気づく)

→検証していく(問題などを解いていく、テストしてみる)

→情報統合をして「長期記憶」に保持する

→アウトプットできる

勉強の後寝る前に勉強した内容にさっと目を通すだけで寝ている間に記憶が整理され定着され、知らず知らずのうちに暗記ができます。翌朝に前日の勉強の内容を見返すことでさらに強く暗記することにつながります。

私の生徒に、宿題を全くしてこないのに、いつもどの教科も成績がよいというゲーム好きの中学男子がいました。

彼は教科ごとに毎日の授業メモを作っていて、授業中に先生が”大切“、”重要“と言ったワードを家でその日のうちに教科書を見ながら、ノートに書き溜めていっているだけで勉強はしていないと言っていました。

定期テストのときに1から習ったことを思い出すのは大変で時間がかかるからだそうで、成績が下がるとゲームの時間を減らされるという家庭ルールがあり、ゲームの時間を確保するため、時間の節約を行っていたというのです。

考えてみれば、少しの時間を使って毎日24時間以内に復習していることになります。

そして、そのノートを毎日開いていることになる、今日の分だけではなく、前日の分やもっと前の分も少しは目にする機会を自ら作っていたといえます。

まとめ

学習したことを最適なタイミング(24時間以内、1週間後、1か月以内)で復習して、脳の「海馬」に必要と判断させ、「長期記憶」にしましょう。

多くの学生は忙しく毎日復習する時間をとるのは難しいと考えます。大人もしかりです。

しかしながら、もし復習をしないでいると、1時間かけて学習した内容をもう1度思い出そうとするのに40-50分かかると言われています。そのような時間を作り出すことの方が難しいのではないでしょうか。

だったら、短時間の復習で、学んだことを「長期記憶」に収めていく方がずっと時間節約になり、楽です。

ぜひ、最適なタイミングで復習を行って、いつでも取り出せる記憶をふやしていってください。

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