この記事を書いた人
ホリスティック栄養士
Eriko
最近アメリカで話題の「GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)」。
この言葉を聞いたことがあるあなたは、かなりの北米情報通かも!?
GLP−1は「痩せホルモン」とも呼ばれ、北米では最近、体重減少や血糖コントロールに関心のある人々の間で注目を集めています。
今回のブログでは、GLP−1とは一体何なのかという疑問に答え、毎日の食事や生活習慣でナチュラルにGLP−1の分泌量を増やす方法について話していきます。
最新の北米情報をいち早くキャッチして、ぜひみなさんの日常生活に役立ててみてくださいね。
オゼンピックとは?海外セレブに話題のGLP−1って何?
GLP−1は体内で作られるホルモンの一つで、血糖値を下げる働きがあります。
最近、海外のセレブリティたちがGLP−1と似た働きをするGLP−1受容体作動薬を減量を目的に使っていることが話題になり、注目されるようになりました。
GLP−1受容体作動薬は糖尿病治療薬として開発された薬で、体内で作られるGLP−1と同じようにGLP−1受容体を活性化させ、血糖値を下げる働きがあります。
代表的な薬には、OZEMPIC(オゼンピック)やWEGOVY(ウゴービー)があります。
これらは、血糖値のコントロールをサポートする目的で、糖尿病患者に使用されてきました。
しかし、治療の過程でこれらの薬には体重減少にも有効であることが明らかになり、次第に肥満治療やダイエット目的での使用にも注目が集まるようになりました。
特に、満腹感を高めたり、食欲を抑えたりするGLP−1の作用が、無理なく食事量を減らすサポートになるとされ、痩せホルモンとして話題になりました。
GLP−1ってどんなホルモン?
では、話題の痩せホルモンはどんなふうに作用するのでしょう?!
GLP−1は、食事をした時に自然に腸から分泌されるホルモンです。
GLP−1には次のような働きがあります。
- 胃の動きをゆるやかにし、満腹感を持続させる
- インスリン分泌を促し、血糖値の急上昇を防ぐ
- 血糖値を上げるホルモン「グルカゴン」の分泌を抑える
- 脳に「もう十分食べた」と伝える
すべての食べ物が一時的にGLP−1を刺激し、消化が進むと再び空腹になるような仕組みになっています。
しかし、GLP−1の分泌量には個人差があります。
例えば、肥満の人や食事制限をしている人は、GLP−1分泌量が少ないという報告があります。
食事制限をした後にリバウンドが起こりやすくなるのは、GLP−1分泌量も関係があると考えられています。

GLP−1を薬ではなく自然に増やすべき理由
GLP−1受容体作動薬は血糖値の安定や体重減少に効果があることがわかっていますが、副作用やリスクも無視できません。
筋肉や骨密度の減少
GLP−1受容体作動薬の摂取により食事量が減ると体重は落ちます。
しかし、栄養バランスの整った食事をしていなければ、栄養不足を起こしてしまいます。
その結果、筋肉量・骨密度・体力・集中力の減少、免疫機能の低下、貧血など、さまざまな体調不良を感じることがあります。
GLP−1受容体作動薬の使用により減った体重のうち、約30%が筋肉という報告もあります。
リバウンドしやすい
GLP−1受容体作動薬の服用をやめると食欲が元に戻り、体重も戻りやすくなります。
胃腸の不調
便秘や下痢、吐き気や胃の不調などの副作用も報告されています。
GLP−1受容体作動薬は薬なので副作用は避けられませんが、普段の食生活の中で少し意識を変えるだけでGLP−1の分泌量を自然に高めることができます。
満腹感を高める「三種の神器」:たんぱく質・脂質・食物繊維
たんぱく質・脂質・食物繊維は、消化をゆっくりにしてGLP−1の自然な分泌を促す栄養素です。
特に「ホールフード」と呼ばれる素材の形に近い食べ物(全粒穀物、野菜、果物、肉類・豆類・魚貝類などの良質なたんぱく質など)は、満腹中枢を刺激し、食欲をコントロールする助けをしてくれます。

GLP−1の分泌を促す具体的な食材
たまご
たまごは良質なたんぱくと脂質を含む食べ物です。
茹でるだけ、炒めるだけ、生でも食べることができるので、毎日の食事に取り入れやすいです。
たまごに含まれるコレステロールが心配な方は、こちらのブログも読んでみてください。
「コレステロールは悪者」は間違っていた?健康なコレステロール値を保つ食品
種実類
アーモンド・ピスタチオ・くるみ・ピーナッツ・かぼちゃの種・胡麻・ヘンプシードなどの種実類は、良質な脂質・たんぱく質・食物繊維を含んでいます。
カロリーは高いので、食べ過ぎに注意しましょう。
1日の摂取量の目安は、ナッツ類は手のひらに軽くのる程度、胡麻やヘンプシードなどは大さじ1〜2杯です。
全粒穀物
玄米・オートミール・大麦・全粒小麦などの全粒穀物に含まれる水溶性食物繊維は、GLP−1の分泌を促してくれます。
全粒穀物は人によっては消化しにくいこともあるので、その場合は調理の仕方や食べ方を工夫してみてください。
もし全粒穀物が消化しにくいと感じたら、玄米でなく分づき米を選んだり、白米に雑穀を混ぜて、よく噛んんで食べましょう。
豆類
大豆製品(枝豆・納豆・テンペなど)・ひよこ豆・いんげん豆・レンズ豆などの豆類は、食物繊維やたんぱく質を豊富に含んでいます。
低脂質なので、お肉料理や油ののった魚料理と上手く組み合わせてバランスをとると良いです。
レンズ豆は浸水しなくても、短時間で調理ができるので、さっとスープやカレーを作るのにおすすめです。
ひよこ豆やいんげん豆の缶詰を家に常備しておくのも良いですね。
アボカド
アボカドは「森のバター」とも呼ばれ、高脂質なイメージを持っている方も多いかもしれませんが、食物繊維も豊富に含んでいます。
アボカド1/4個〜半分を朝ごはんに加えたり、間食に食べてみてください。
野菜
きゃべつ・ブロッコリー・にんじん・たまねぎ・アスパラガスなどの野菜もGLP−1の分泌量を上げるのにおすすめです。
ご飯やパンなどの主食よりも先に食べることで、血糖値の急上昇を防ぐこともできます。

食品以外にも!GLP−1を自然に高める5つの方法
① 食べる順番を意識する
食事内容を変えなくても、食べる順番を変えるだけで血糖値スパイクを防ぐこともできます。
まず、野菜・たんぱく質・脂質を食べてから、炭水化物を食べることで、GLP−1の分泌がスムーズになり、血糖値の急上昇も防げます。
もし、白米、麺類、パンなどの炭水化物で食事を始めていたら、おかずから食べるようにしてみてください。
② よく噛む・ゆっくり食べる
よく噛むことで腸内の「L細胞」が刺激され、GLP−1が分泌されやすくなります。
栄養学の学校に通っていた時に「スムージーなどの液体も噛むように飲みなさい」と言われ衝撃を受けたことを今でも覚えています。
噛むことで、自然に食事の速さもゆっくりになります。
③ たんぱく質をしっかりとる
卵・肉・乳製品などのたんぱく質は、GLP−1の分泌を強力に促します。
ごはん、パン、麺類、芋類、くだものなどの糖質中心の食事ではなく、良質なたんぱく質を意識的にとりましょう。
私はたんぱく質をしっかりとるために、献立を考える時にはまずたんぱく質を決めるようにしています。
また、間食にも必ずたんぱく質がとれる食べ物(豆類・ナッツ・たまごなど)を加えるようにしています。
④ 食物繊維をとる
食物繊維は腸内細菌の栄養源(エサ)でもあります。
食物繊維が腸内細菌により分解され、短鎖脂肪酸(SCFAs)を生成します。
これら短鎖脂肪酸が腸内の特定の細胞を刺激し、GLP−1の分泌を促してくれます。
⑤ ストレスを減らす・良質な睡眠をとる
自律神経のバランスが整うと、消化やホルモンの働きもスムーズになります。
睡眠不足や慢性的ストレスはホルモンバランスを乱し、食欲を促すホルモンの分泌量を増やします。
ある研究では、睡眠時間が短いと1日の摂取カロリーが増え、脂質や糖質を多く含む栄養価の低い食べ物への欲求が高まることがわかっています。
⑥適度な運動
食事だけでなく運動もGLP−1と同じようにインスリンの働きをサポートし、エネルギー代謝を高めてくれます。

痩せホルモンを味方につけて健康的な体型を保とう
「太りにくい体」「食べすぎない習慣」は、特別なことではなく日々の小さな選択の積み重ねです。
GLP−1を味方につけて、食べ物と健康な関係を保っていきましょう。
今回はGLP−1についてお話ししましたが、どんな症状に対しても、薬に頼るだけでなく(選択肢があるのであれば、できるだけ薬に頼らずに)、自分の体が本来持っている力を活かす方法を試してみませんか?
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カナダで大学卒業後、健康志向の高い都市バンクーバーに移住したことで栄養や体の仕組みに興味を持ち、栄養学とピラティスを学びました。その後、栄養学校で身につけた知識を使い体質改善に成功し、幼少期から付き合ってきた数々の不調を改善することに成功しました。現在は、ホリスティック栄養士として、企業向けに栄養関係のコンテンツ作成、ナチュラル食品•製品の開発やマーケティングのアドバイスなどをしています。地球にも人にも優しいナチュラル製品が大好きで、美容家の間で噂のエイジングケアオイル、抗酸化作用がたっぷりの「カカイオイル」を販売しています。
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