この記事を書いた人
居場所作り/タッチケア講師/介護福祉士
岩見澄江
こんにちは!
今日は、これからの生活にとても重要な「フレイル」についてお話しします。
特に40代・50代の私たちにとって親世代の介護が現実味を帯びてくる時期です。
フレイル予防は、親世代の健康だけでなく、私たち自身の健康管理にも役立つ知識です。
そして、今月のテーマ「免疫力アップ」とも密接に関係しています。
今回はフレイル予防が免疫力向上にもつながる点に注目してみましょう。
フレイルって何?
「フレイル」という言葉、聞いたことはありますか?
簡単に言うと、「年齢を重ねるにつれて心身が弱っていく状態」を指します。
これは病気ではありませんが、放置すると「免疫力が低下し、病気や介護が必要な状態に進行するリスク」が高まります。
具体的には、筋力や体力が落ち、ちょっとしたことでも疲れやすくなることが特徴です。
日常での「フレイル」の言葉の使われ方
フレイルは、介護や医療の現場で使われることが多いですが、最近では一般の人々の間でも少しずつ認知が広がっています。
例えば、こんな会話の中で使われています。
「最近、おばあちゃんがフレイル気味で、階段を上るのが辛くなってきたみたい。」
ここでは、フレイルは体力や筋力の低下を意味しています。
「フレイル予防のために、毎日軽い運動を続けているんだ。」
運動や栄養管理、心のケアなどを意識する人が、老化を防ぐために使うフレーズです。
こうしてフレイルは、「心身の健康を保つための重要なキーワード」として日常的に使われるようになってきています。
フレイルの原因
フレイルの主な原因は、「運動不足」「睡眠の質の低下」「栄養不足」「社会的つながりの減少」の4つです。
これらが免疫力の低下にもつながり、体力が落ちていく悪循環を引き起こします。
コロナ禍で進行したフレイルの現状
新型コロナウイルスによる外出制限や人との交流の減少は、高齢者の生活に大きな影響を与えました。
「家にこもる」「人と会わない」「しゃべらない」生活は、運動不足や社会的孤立を進行させ、フレイルの進行を加速させました。
例えば、以前は毎日散歩をしていた高齢者が、コロナ禍で外出を控えるようになり、足腰の筋力が急速に弱くなったり、いつもよく遊びに来てくれていた孫がコロナをうつすとだめだからって来なくなったり、友人との会話が減ることで気持ちが落ち込み、社会とのつながりを失ったりというケースが増えました。
免疫力が低下することで、風邪や感染症にかかりやすくなり、さらに活動が制限されるという悪循環に陥るケースをよく耳にします。
予防に大切な4つのコト
こうした原因を理解して、これらの要素を少しずつ改善することがとても大切です。
1. 適度な運動で免疫力を高める
運動は筋肉を維持し、免疫力を高める効果があります。
毎日の生活の中で取り入れやすい運動を考えてみましょう。
(このブログの最後に簡単な運動をご紹介しています。)
運動は筋肉を強化するだけでなく、血流を促進し、免疫細胞が活発に働くことを助けます。
2. 質の良い睡眠が免疫力をサポート
睡眠中、免疫細胞は活発に働いて体を修復し、病気から守ってくれます。
睡眠の質を向上させることで、免疫力を効果的に高めることができます。
十分な睡眠時間を確保し、夜のリラックス習慣を取り入れて、ぐっすり眠る環境を整えましょう。
3. 栄養バランスの良い食事で免疫力アップ
栄養バランスの取れた食事もフレイル予防に欠かせません。
特にビタミンCや亜鉛などの栄養素は、免疫力向上に効果的です。
毎日の食事に新鮮な野菜や果物を積極的に取り入れることで、体全体の調子を整え、病気にかかりにくくなります。
4. 笑顔とコミュニケーションで免疫力を強化
人とのつながりは心を満たし、免疫力を高める効果があります。
笑顔が免疫細胞を活性化し、ストレスを軽減することが分かっています。
家族や友人との楽しい時間を大切にすることで、心身ともに健康を保つことができます。
人と触れる事の大切さ-タッチケアの視点から
フレイル予防には、人との触れ合いが非常に重要です。
このコロナ後の今だからこそ、特に高齢者や認知症の方にとって、肌に触れることや優しい接触が心と体に与える影響は大きいです。
認知症の方は、具体的な出来事や場所、人との会話などを忘れてしまうことが多いですが、その場の雰囲気や感情的な記憶は残ります。
例えば、優しく穏やかに接してもらったという感覚や、居心地が良かったという印象はしっかりと記憶に残るのです。
逆に、不安や恐怖を感じた場所や人も同じように覚えているのです。
タッチケアは、その優しい空気感を伝えるための素晴らしい方法です。
優しい触れ合いは、安心感やリラックスをもたらし、外に出るきっかけや人と繋がる機会を増やす手助けになります。
このような社会とのつながりが、フレイル予防にも繋がっていきます。
誰かと触れ合い、心にも体にも温かさを感じることで、「優しい感情」「私はここに居ていいんだ、と思える安心」を生み出し、これは健康にとっても大切な要素なんです。
「私はこのままでいい」「私はここに居ていい」という安心こそが、フレイルの進行を防ぐといった力を持っています。
フレイル予防におすすめ!かんたん体操
フレイル予防には、体をしっかり動かして筋力を維持することが大切です。
今回は、簡単にできて体をしっかり動かせる体操を紹介します。
この体操は、足腰や肩回りの筋肉を鍛え、バランス感覚を養うことで、フレイルの進行を防ぐ効果があります。
また、手と足の動きを逆にするなどのアレンジで、脳の活性化にも役立ちます。
出来なくても大丈夫!笑ってごまかすことがpointです。
呼吸を止めないために、声を出して数えたり、歌を歌いながら楽しくやってみましょう!
ステップ1~5まで全て、椅子に座っておこないましょう。
ステップ1:足を開いて閉じる(10回)
両足を肩幅に開いて閉じる動作を繰り返します。
股関節をしっかり意識しながら、足を引きずらないように持ち上げて動かします。
ステップ2:手を伸ばして開いて閉じる(10回)
次に、両手を横に伸ばして広げ、肘を伸ばしたまま閉じて手の平を合わせる動作を繰り返します。
手を開くときは、肩甲骨が内側に寄るのを感じながら行いましょう。
ステップ3:足と手を一緒に開いて閉じる(10回)
ステップ1とステップ2を同時におこないます。
足と手を同時に開いて閉じる動きをします。
股関節と肩甲骨の動きを意識しながら、スムーズに動かしましょう。
ステップ4:足と手を逆に動かす(10回)
ステップ1とステップ2を同時におこないますが動きは逆になります。
足を開いているときは両手を閉じ、足を閉じているときは両手が開きます。
手と足の動きを逆にすることで、脳に刺激を与え、活性化させます。
このような異なる動きを同時に行うことで、脳の働きを鍛える効果が期待できます。
ステップ5:「もしもしかめよ」の歌に合わせてステップ4をする
歌を歌いながらステップ4の動作を行います。
声を出して歌うことで、呼吸を止めずに運動が続けられ、心肺機能も鍛えられます。
この体操がフレイル予防に効果的な理由
この体操は、足腰や肩回りの筋肉を使い、体全体をバランスよく動かすことで、筋力の維持や関節の柔軟性を高める効果があります。
特に股関節や肩甲骨を意識して動かすことで、体の中心部がしっかり鍛えられ、転倒予防にもつながります。
さらに、手と足を逆に動かすことで脳に刺激を与え、脳の活性化が期待できます。
このような複雑な動作は、脳の神経回路を強化し、認知機能の低下を防ぐ効果があります。
また、歌を歌いながら行うことで、呼吸を止めずに運動ができるため、心肺機能の向上にも役立ちます。
フレイル予防には、筋力、柔軟性、バランス感覚、脳の活性化、そして心肺機能のすべてが大切です。
この体操は、それらをバランスよく鍛えることができるので、ぜひ続けてみてください。
実はこれ、なかなか難しいんですよ。
だまされたと思ってやってみて下さいね。
フレイルは年齢に伴って進行しますが、予防を始めるのに遅すぎることはありません。
親世代にも、そして介護をしていく、あるいはしている私たち自身も、フレイル予防や免疫力アップを意識することがとても大切です。
親の世話をする際、自分の体や心のケアも同時に行うことで、より長く元気に生活することができます。
もちろんWellness To GoのアプリやYouTubeでも見られる、ArisaさんのYOGAはオススメです。
ぜひ、家族で一緒にやってみて下さいね。
さいごに
介護も子育ても、家族だけでは支えきれないことがたくさんあります。
そんな時、私は「地域とのつながり」が非常に重要だと感じています。
地域とのつながりは、「人と会う」「会話する」「一緒に何かをする」といった小さな行動が自然と日常に生まれることで、私たちを支えてくれます。
例えば、地域のイベントでの交流はもちろんのこと、すれ違う人とのちょっとした挨拶や顔見知りの人との会話も、大きなつながりとなります。
こうした些細なやりとりが、私たちの心に安心感を与え、地域の中で「自分も役に立っている」という社会的な役割を感じるきっかけになります。
こうしたつながりを通じて、生きがいを育み、「私はここにいていいんだ」と感じられる心の健康を保つことができます。
さらに、地域との心理的なつながりは、免疫力を高め、フレイルの進行を遅らせる効果も期待できます。
地域とのつながりは、私たちに元気を与え、心も体も支えてくれる大きな力を持っているのです。
私たち一人ひとりが、地域とのつながりを大切にし、フレイル予防に向き合っていくことで、明るく健やかな毎日が作られていきます。
これが、自分を大切にしながら、未来を健康に過ごす第一歩です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
私がいつも伝えていることは
「子育て」も「介護」もそして「自分のこと」も、いつでも色々な人に頼っていいということです。
将来いつか自分が頼られるときが必ずくるんです。
そのときに頼ったときの恩返しが出来る仕組みに社会は出来ています。
だからなんだか疲れたなって感じる時は、しっかりと周りに甘えてくださいね。
毎日お疲れ様です。
居場所作り/タッチケア講師/介護福祉士
男の子3人の母で5人家族。
25年間、介護の仕事に従事し、不登校の子育てを経験する中で、自分の生き方にも深く向き合ってきました。
退職後、「何がやりたいのか」「何ができるのか」と自問自答しながら、現在は地域とのつながりを大切にした居場所作りに取り組んでいます。
居場所の名前は「そのままおいで」。タッチケアで学んだ「そのままのあなたでいい」というマインドを取り入れた居場所を目指しています。現在は、地域とオンラインでタッチケアの講師として活動し、介護をする人や子育てに悩む人、居場所作りに関わる方々へ向けて、タッチケアの持つ力と地域のつながりの大切さを伝えたいと思っています。
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