「お腹の調子が悪い」は治せる!FODMAP食事法で過敏性腸症候群の辛い症状を解消しよう

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北米で話題のFODMAPダイエット(食事法)って聞いたことはありますか?

FODMAPダイエットとは、過敏性腸症候群の症状を緩和するのに有効だと言われる食事法です。お腹の調子を崩しやすいのは体質だと諦めているあなた、騙されたと思ってFODMAPダイエットを試してみませんか?

過敏性腸症候群ってなに?

腹痛、ガスや膨張感、下痢や便秘、または下痢と便秘を交互に繰り返すなどの症状があります。多くの場合、食事やストレスマネージメント、生活習慣の改善によって症状を抑えることが出来ます。しかし、薬に頼らなくては日常生活を送ることが出来ないほどの、重度の症状もあります。

過敏性腸症候群の主な原因3つ

1、腸の収縮力

腸の壁の周りには腸を動かす筋肉が付いているのですが、その筋肉が収縮し過ぎたり収縮が長く続くと、下痢やガス、膨張感の原因を起こします。その反対で、腸の収縮が弱いと腸の動きが鈍くなり便秘が起こります。

2、神経伝達の異常

腸と脳の間で信号の伝達が上手く出来ていないと、異常な腹痛などを感じます。

3、感染症または腸内環境の悪化

細菌やウイルス、腸内細菌のバランスの崩れが原因となることもあります。

これらの原因があるところに、食事やストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れやホルモンバランスの乱れが重なることで症状が出ると考えられています。

FODMAP食事法で過敏性腸症候群の症状を緩和できるの?

FODMAPとは発酵性オリゴ糖 、二糖類、単糖類、ポリオールの4種類の糖質のこと。これらの糖質は、小腸で吸収されにくく、大腸に移動し水分を増加させ下痢を起こしたり、バクテリアによる発酵によりガスが発生します。

Fermentable oligo-, di-, mono-sacchairides 発酵性オリゴ糖 、二糖類、単糖類  and polyols ポリオール
の頭文字をとって、FODMAP と言われます。

食事の後にお腹が風船みたいに膨らんだり、下痢と便秘を繰り返したり、腹痛、ガスなどで悩んでいる方、もしかしたらFODMAPを多く含んでいる食材に敏感になっているのかもしれません。

*この様な症状は病気が原因の場合もあります。気になる症状がある場合は、自己判断をする前に一度病院で見てもらうことをお勧めします。

また、過敏性腸症候群の症状はをFODMAPを多く含む食品を除くことで緩和されることが多いです。
しかし、それは過敏性腸症候群の元々の原因を取り除いている訳では無いことを頭に入れておきましょう。

それでは、FODMAPを多く含む食品とは具体的にはどんなものなのか、そして代わりに何を食べたら良いのか説明していきますね。

FODMAP食事法で避けるべき食材、食べられる食材

1、穀物

ライ麦、アマランサス、大麦は高FODMAP食材です。
穀物を選ぶ時は、低FODMAP食材である玄米、キヌア、蕎麦、粟にすると良いです。

発酵の過程で穀物に含まれるFODMAPの一部が消化のできる糖へと分解されます。
パンを選ぶ時は、伝統的な方法で生地を発酵して作られるサワードウを選ぶことで、FODMAPを減らすことができます。

2、玉ねぎ、にんにく

玉ねぎ、にんにくは、殺菌作用や腸内環境を整える働きを持ち、免疫力を上げるのにも良いとされています。しかし、こんな素晴らしい食材も高FODMAPなんです。

玉ねぎやにんにくの代わりに、生姜、レモングラス、チリ、マスタードシード、うこん、チャイブを食卓に。

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3、果物

りんご、アプリコット、さくらんぼ、無花果、マンゴー、桃、洋梨、すいかはFODMAPを多く含むので、FODMAPダイエットではNGです。
バナナ、ブルーベリー、キウイ、ライム、みかん、パイナップル、いちごは低FODMAP食材ですが、沢山食べるとFODMAPを取りすぎてしまいます。果物を食べる時は、低FODMAPのものを少量にしておきましょう。

4、野菜

高FODMAPの野菜は、アスパラ、芽キャベツ、カリフラワー、きのこ、ねぎなどです。
低FODMAPである、もやし、にんじん、ケール、ほうれん草、トマト、ズッキーニなどをたっぷりとりましょう。

5、豆類

豆類はFODMAPダイエットでは避けるべき食材の1つですが、大豆を加工した豆腐は低FODMAP食材になります。肉や魚をあまり食べない方は、植物性のたんぱく質である豆類を抜くとたんぱく質不足になってしまう可能性があります。たまご、ナッツ、豆腐などから、体に必要なたんぱく質を十分とるようにしましょう。

6、甘味料

アガベシロップ、果糖ブドウ糖液糖、はちみつ、キシリトールやマルチトールなどの糖アルコールは、FODMAPを多く含みます。果糖ブドウ糖液糖や糖アルコールの人工甘味料は、体のバランスや感覚を壊してしまうと考えられています。FODMAPダイエットをしていなくても出来る限り避けましょう。出来るだけ果物や野菜の甘さを利用して、どうしても甘味料が必要な時はメープルシロップを使いましょう。

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表:専門医が教える おなかの弱い人の胃腸トラブル (幻冬舎単行本)

具体的な献立の例

朝、ケールとトマトのオムレツ、蕎麦のポリッジ

昼:シャケの玄米おにぎり、キヌアのサラダ、豆腐のお味噌汁

夜:鶏肉のベストソース和え、ズッキーニと人参のグリル、玄米、ほうれん草のお味噌汁

スナック:ナッツ、バナナ、ケールチップス

FODMAP食事法で気をつけるべきこと

FODMAPダイエット(食事法)で避けるべき食品を見て分かったと思いますが、高FODMAP食材は体によく無い為避けた方が良い栄養素と言う訳ではありません。
高FODMAP食材は腸内環境を整えるのに欠かせないプレバイオティックを豊富に含んでいます。長期間FODMAPを避けることは、腸内細菌のバランスを崩すことに繋がってしまいます。高FODMAP食材を除くのに適した期間は2週間~2ヵ月が良いとされています。

FODMAPダイエット中は、色々な種類の低FODMAP食品をバランス良く取り、体に必要な栄養素を万遍なくとる必要があります。栄養たっぷりの多くの食材を避けることになるので、栄養バランスが崩れないように気をつけましょう。

なぜ腸内環境を整えることが大切なのか知りたい人はここから

FODMAP食事法ってどうやってやるの?

FODMAPダイエット(食事法)は、2段階に分けられます。

1、FODMAPを多く含む食材を2週間~2ヵ月の間、完全に避けます。この期間には個人差があります。2週間で過敏性腸症候群の症状が軽くなる人もいれば、それまでに丸々1ヶ月かかる人、2ヶ月経っても効果が表れない人もいます。

2、症状が緩和したら、避けていた食材を再び食生活に取り入れていきます。何が自分の体に合っていないのか分かるように、まずは発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオールの4種類の中から一種類を選び、食材を一つずつ食べていきます。過敏性腸症候群の症状が出なければ、他の食材を食べてみます。体の調子をみながら、調子が良ければ他の糖質を取り入れていきましょう。

最初にも言いましたが、FODMAPダイエットで過敏性腸症候群の症状を緩和することは出来ても、その原因を取り除くことは出来ません。過敏性腸症候群を克服するには、FODMAPダイエットなどを通して症状を緩和するのと同時に、原因を特定して取り除く努力をすることが必要です。

過敏性腸症候群で悩んでいる方、そうじゃなくても「お腹の調子がいまいちなんだよね」という方は一度試してみると良いかもしれません。

専門医が教える おなかの弱い人の胃腸トラブル (幻冬舎単行本)

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2 thoughts on “「お腹の調子が悪い」は治せる!FODMAP食事法で過敏性腸症候群の辛い症状を解消しよう”

  1. いつもとても勉強になります。
    私は過去に過敏性腸症候群と診断され、結局原因は不明となり今は服薬もしていません。
    とてもにんにくが大好きなのですが、どうしても食べた翌日はお腹が緩くなってしまっていたのは反応していたのかもしれないなって気付かせて頂けました。
    りんごも同じで。
    食べた後の体の反応を見ながら、改めて食事を楽しみながら体の声を聞いてあげたいなと思いました。

    今、まだメンタルバランスが不安定であまり食生活に気を使ってあげれてなくて、肉や魚をなかなかとれず豆乳をずっと飲んでいるんですが豆乳はタンパク質の摂取としてはどうなのでしょうか?
    あと、食事の時など効率良く吸収されるタイミングなどありましたら教えてください。

    お身体に気を付けて、これからもいろんな事を配信してください^^*

    Reply
    • なかの たかこさん、いつもコメントありがとうございます^^

      私も大のにんにく好きです!料理にはにんにくたっぷりが基本で、にんにくパウダーも良く使います。体からニンニク臭を発しているかもしれません笑

      食事を楽しみながら体の声を聞くって大切ですよね!何事も楽しまないとストレスになって、意味がなくなってしまいますもんね。

      豆乳はたんぱく質たっぷりですが、そればかりに頼るのはあまりお勧めしません。体を冷やしてしまうし、必要以上に加工してあるものや添加物が加えてあるものが多いです。無調整豆乳で出来るだけ材料がシンプルなものを選ぶと良いです^^FODMAPをやる期間は避けることをお勧めします。

      お肉やお魚をあまり食べないというのであれば、プロテインパウダーを取り入れるのも良いかもしれません。消化に問題があるのであれば、ヘンププロテインがお勧めです。食物性ですし、お豆を含んでいないので、消化しやすいです。プロテインについての記事も良かったら読んでみてください。

      https://www.wellness-to-go.com/2018/12/25/plantbase-protein-powder/

      たんぱく質をとるタイミングよりも、しっかり消化、吸収することの方が大切です。基本的ですが、良く噛むこと。噛むことで体が消化の準備を始めます。たんぱく質は毎食とることをお勧めします。お肉やお魚をあまり食べないのでしたら、たまごはどうでしょうか?野菜も少量ですがたんぱく質を含んでいるので、野菜の量を増やすのも良いです。

      メンタルバランスが不安定ということでしたら、たんぱく質を玄米やさつまいもなどの糖質と一緒にとることで、精神を安定させるのを助けると言われるホルモンであるセロトニンの原料となるトリプトファンを吸収しやすくなります。バナナはトリプトファンをセロトニンに変える為の他の栄養素も含んでいるので、とっても良いですよ。

      ありがとうございます!
      たかこさんも、寒いですから体調に気をつけてくださいね^^

      Eriko

      Reply

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