海外では有名な混雑した日本の電車…
質問です。今日、身体と精神をOFFにする時間を数分でも作りましたか?
ストレス社会で生きている我々現代人にとって、1日のうち少しでも体と精神を休めて活力を取り戻す時間を作ることは、は必要不可欠だと私は信じています。
そもそも「ストレス」という言葉は、もともと物理学において使用されていた言葉で、現在私達が使用する「種々の外部刺激が負担として働くとき,心身に生ずる機能変化(岩波書店、広辞苑より)」という意味ではありませんでした。それが1920年代に、心理学、生物学内で現在の意味として次第に使用されるようになったそうです。
マッサージにくるお客さんからよく聞く言葉「I’m stressed out…」
これは、「すごくストレスを感じている…疲れている…」という意味。ストレスによって、健康、性的機能、人間関係、仕事の成績、そして自分が誰なのか、自分自身への感覚…などが失われてしまって、それが様々な病気につながる場合もある。
ストレスを感じた時に人間の身体には以下のような反応が起こります。
- ストレスに対応するために必要なホルモンが副腎から放出される。「副腎疲れてない?アドレナル・ファティーグ」を参照
- 自立神経系の交感神経が優位になり、心拍数、血圧を上げ、覚醒状態になる。筋肉の緊張は増加し、体は発汗する。英語ではこの反応を「fight or flight response: 闘争-逃避反応」という。反対に、その時に必要のない消化、排泄、成長、修復、生殖などの副交感神経が支配する機能は一時休業する。
- 体が「もうストレスの原因は過ぎ去ったよー。逃げる必要も戦う必要もないよー。」と判断すると、体を正常な状態に戻そうとするホメオスタシス(生体恒常性)という機能が働き、体は回復する。
むかーしむかしそのむかし、何千年も前の私達の祖先の人達にとってのストレスの原因(ストレッサー)は、野生の動物に食べられるから逃げるとか、戦うとかであって、その場合も体は上記に書いた今の私達の体と同じ反応をした。でも祖先の人達の場合、動物が去り、逃げるか戦うかのアクションが終われば、体は落ち着いて正常な状態にもどる。原因はすぐに解決するものなので、ストレスに対して交感神経のON/OFFが簡単だ。
しかし、現代人は会社、家庭、人間関係のストレスなど、ストレッサーはすぐに解決するものではない。そのため体がいつ交感神経を静めればいいのか分からなくなっていて、常に交感神経が働いている状態になっている。その結果、自立神経(交感神経、副交感神経)のバランスがとれず、自立神経失調症が起こる。副腎からは、常にストレスに対するホルモンが放出されつづけ、結果、体の再生能力は落ち、回復は遅くなり、本来持っている治癒力を失う。さらに高血圧、潰瘍、腰痛、免疫異常、生殖系の問題、鬱病…などの新たな病気を発生させる…
ストレスに対する解決法、交感神経を静める状態の作り方は知っての通り、リラックスすること。リラックスとは「深く休息する」ことである。この休息は寝ている状態とは違う。寝ている時は筋肉など体の緊張が高まる。
マッサージを受ける事、ビーチに行ったり自然と触れ合うこと、旅行に行くこと、お酒を飲むこと、癒しグッズ… 人によって様々はリラックス法があるだろうけど、何よりも何よりも大事なことは呼吸だ。
ゆっくりと安定した呼吸は、ストレス時に働く交感神経とは逆の休息時、消化器系に働く副交感神経が優位になり、体と心を穏やかな状態に持っていく。血圧を下げたり、動脈硬化や、心臓病の進行を防ぐなどの効果があることも証明されている。
ゆっくりと安定した呼吸をすることで、ストレス社会の中で、いつOFFにしていいのか分からない体や脳が、
『お、今は休みの状態に入っていいってことなのね!Good night!(^^)v』
という感じで交感神経を静めてくれる。
お風呂に入っている時、仕事にいる時、家のソファに座っている時、時間がある時いつでも目を閉じて2〜3分だけでも、自分の呼吸にフォーカスしてみよう。
《呼吸のエクササイズ》
- 目を閉じて、ただ自分の呼吸を観察してみよう。変える必要はない。ただ観察する。速かったり、遅かったり、不規則だったり、スムーズだった、途切れ途切れだったりする呼吸を、変えることなく観察する。
- 少しずつ呼吸を長く、吸気と呼気を均等にしていく。鼻から吸って、鼻から吐く。数回繰り返す。
- 長い息に慣れてきたら、鼻から吸う時に5を数えてみる。そして吐く時に5を数える。数回繰り返す。
ストレスに対して体のON/OFF を自分でコントロールできるように学んでければ、会社にいても、リビングルームにいても、どこにいても数分のリラックスタイム、バケーション、癒しを自分で作りだせるようになるのだ。ヨガはリラックスするのに一番必要な呼吸にフォーカスする。ヨガをやった後には頭がスッキリし、気持ちが穏やかになる理由のひとつだろう。
ヨガ&瞑想インストラクター/Wellness To Go主宰
愛知医科大学を卒業後、医師として働き、語学留学をきっかけにカナダ、バンクーバーに移住を決意。バンクーバーでヨガや瞑想に出会い、マインドフルネスなライフスタイルに興味を持つようになる。医師、マッサージセラピストとしての経験を通し、体とマインドへの深い興味と理解を持ちながら、YouTubeチャンネル「Wellness To Go by Arisa」を通して、多くの人が幸せに自分らしく生きていく手段をシェアしている。チャンネル登録者数は18.8万人、毎週行なっているライブヨガレッスンは800人近くが参加する。著書「バンクーバー式ウェルネスヨガ」を通し、心と体に意識をむける習慣作りを多くの人に伝えている。
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