この記事を書いた人
踊る歯科衛生士
Thalia貴子
「お口が凝っていますね。食いしばりのクセはありませんか?」
コロナ禍となり、チェアサイドでこんな会話をすることが増えました。
食いしばりによる緊張(凝り)は、自然と口内スペースを圧迫し、イライラ思考を招きます。
(詳しくは下の“食いしばりってなに?”のセクションへ)
食いしばりは、いくつかのネガティブ習慣が関連して起こります。
- 緊張しやすい
- 夜間も交感神経が働きやすく、リラックスして眠れない
- かみ合わせが悪い
- 舌の動きにクセがある
- 会話が少なく、下を向いた作業が多い
最近は年齢問わず、多くの方が自覚症状のない食いしばりが見られます。理由は一概には言えませんが、2年にも及ぶマスク生活が影響するのではないかと推察します。
今日は食いしばりからくる、お口周りのコリや、その他引き起こされる身体の症状についてまとめてみました。緊張状態の口腔内に、スペースを感じられるエクササイズも載せました。
1分で健康と小顔が手に入ります!よかったらトライしてみてくださいね!
食いしばりってなに?
食いしばりや、歯ぎしり、という言葉はよく聞きますが、自覚症状が出やすいのは歯よりも、こめかみや耳周りの痛みです。
歯を食いしばる時、歯以外の組織では一体何が起こっているのでしょう?
実は!食いしばり時に、重量挙げさながら、ストイックに働いている筋肉があるのです。
それが、咀嚼筋。
咀嚼筋は4種類あるのですが、中でもアゴを引き上げる時に働く筋肉は2種類(側頭筋、内側翼突筋)で、その力は何トンにも及ぶと言われています。
食いしばりのくせとは、ゾウの重量挙げを長時間行なっているのと同じなのです。
圧迫された筋肉の中で炎症が起きると、血流は滞ります。スペースが潰されて代謝が悪くなり、凝り始めます。
すると、外見も老けてしまいます。
最近、お肌がくすんでいませんか…?
アゴを引き上げる2種の筋肉うち1つは、頬の内側に接しているため、凝ると口腔内にしなやかさがなくなり、舌の入るまぁるいスペースを潰してしまいます。舌が安定しないと、精神的にも落ち着かずにイライラして思考にも影響を与えます。
最近、ナーバスなことばかりが気になる!という方は、まず舌の位置を観察してみてください。
食いしばりから引き起こされる、身体の不調
前文でもお伝えしましたが、食いしばりから引き起こされる不調はお口の中だけではありません。
頭痛や側頭部の痛み以外に、めまい、耳鳴り、ひいてはフェイスラインにまで影響を与え、
首肩こり、むくみ、腰痛と全身につながっていきます。
お口の中でおこる症状例
- ほっぺの内側をかみやすい
- かみ合わせが悪い
- 知覚過敏がある
それ以外の症状例
- 首や肩がこる顔にたるみ・むくみがある
- ほうれい線が昔より目立つ
- 背中がこる
- あご周りのエラが張っている
- 大人ニキビが再発しやすい
食いしばり防止して小顔に!1分エクササイズ・マッサージ
①側頭筋マッサージ
側頭筋=耳から扇型に広がる側頭部の筋肉。上下の歯をグッと噛み合わせた時、動く部分が側頭筋です。
手を熊手のカタチに保ちます。親指の腹は耳のさらに後頭部付近にキープ。ほかの4本指の腹は側頭筋にセットします。
少し圧を加え、熊手の手で円を描く様にグルグルゆっくり回します。(3~4回)
できたら吐く息に合わせて行い、吸うときに圧を緩める様にしましょう。
②舌トレーニング
写真の1~4のポイントを通る様に、口の中で舌をゆっくりとぐるり回します。
大切なのは、舌先だけに力を入れず、喉の奥から大きく舌を動かすイメージで。姿勢が崩れない様に(前のめりにならない)注意してください。
唾液の分泌が促されることで、口腔内の衛生も保たれます。
③頬内側の筋肉マッサージ
下の歯並びの一番奥の歯から頬へ移行する部分(頬の一番低い部分)に親指の腹を当てます。いた気持ちいい程度の力で下方向へ圧をかけます。そこから指の腹を外側へむけ、頬を広げる様にしてゆっくりと指を持ち上げていきます。頬骨にあたったらゆっくりと下ろし、口から指を出します。
こちらも呼吸に合わせてできるとより良いです。
★あごの痛みがひどい方、歯科医院でマウスピースを勧められた方は指示に従った上、上記のエクササイズをお試しください。こちらに掲載したエクササイズは食いしばり防止の治療ではなく、予防するものです。★
おまけ<身体の支点となるバランスの崩れ>
食いしばりの原因を追求する中で、例外も存在します。
身体の支点のアンバランスにより、最終的に食いしばり症状がでたケースです。
人の身体は姿勢を維持するために、あご・骨盤・足の裏、この3点でバランスをとっています。どこかが歪み、それをカバーしようと他の支点が働く。すると本来の働き方が出来ず、チグハグな状況になることがあります。
身体と内面的なバランスはつながっているので、心のストレスによって肩が内に入ったり、骨盤が閉じてしまうことも考えられます。もしくはその逆もあるでしょう。
生きていると、たくさんの試練が与えられます。いつもバランスの取れた状態でいられることは少ないですよね。
気分が落ち込んでいるかも…と自覚した時にはぜひ!好きな音楽に合わせて、リズム運動を取り入れてみてください。
不思議と身体のバランスも取り戻せてくるかもしれません。
ベリーダンスのフィギュアエイトやヒップサークルは、場所をとらず、骨盤の位置を整えるのに一躍買います。インスタにて、ベリーダンスの基礎で健康になることを目的にミニ動画を投稿しています。よろしければご覧ください。
こちらの投稿は骨盤を整えるのにも効果的です!
踊る歯科衛生士
歯科衛生士/ダンス&スマイルセラピスト。2006年より国家資格を持ち、歯科医療現場に携わる。巷では踊る歯科衛生士と呼ばれる。
現役勤務もしながら、ベリーダンスで培った14年の経験を加え、心と顔筋のつながり研究をする。「踊りながら心身体を整える」リズムベリーダンスのコンテンツ作成が目標。女の子ママ。
他の認定記録→2014年よりベリーダンス講師、2017年より表情筋講師、2022年より歯科食育士。
くいしばりが原因で、歯に亀裂が入り、虫歯になり、歯科に通院している者です。最初は自分がそんなにくいしばっているとは知りませんでした。歯科で指摘され、あいうべ体操などはしていましたが、ここで紹介されているようなマッサージなどは知らなかったので、とても嬉しいです。頭痛や顎のニキビなども改善されると良いなと思います。ありがとうございます。