皆さんは、コレステロールとは実際何なのか、体内でどんな働きをしているか知っていますか?悪者にされがちなコレステロール、少し前までは低脂肪食品が推奨されていたり、今でも低脂肪=健康的、脂質=悪者と誤った認識が残っています。
私は、栄養素に良い悪いは無く、バランスが大切だと思っています。コレステロールを、善玉コレステロールや悪玉コレステロールと言ったり、腸内細菌も善玉菌と悪玉菌と区別されたりしますが、実は全て私たちの体にとって大切なものです。バランスが崩れると健康に害を及ぼす、もしくは体が健康でない時にこれらのバランスが崩れているのかなと考えています。
コレステロールだけでなく何であっても、多すぎても少なすぎても良くなくて、その時の自分の体に合う量、バランスが大切です。
コレステロールとは?体内の消防士?
栄養学の学校に通っていた時に授業で聞いた話の中で、深く印象に残っているものの1つはコレステロールの話です。
“コレステロールは消防士のようなもの”
火事現場には消防士がいますが、それは火事を止めるためです。火事を起こしたのは消防士ではありません。コレステロールも同じで、炎症が起こっている場所にコレステロールが集まるのは炎症を止めるため。
甘いお菓子やご飯やパンなどの糖質は体の中で炎症を起こします。その炎症を止めるために血中のコレステロールが集まってきます。コレステロール値が高いのは、体の中の炎症が原因なのです。 つまり、コレステロール値を上げないためには、脂質を制限するのではなく、炎症を起こさないようにすることが大事です。
コレステロールの主な役割って?
1、細胞膜の主な成分であり、細胞膜内の流動性を制御し、細胞膜を作っている他の構成要素の働きをコントロールしています。
2、コルチゾールやアンドロゲンなどの副腎皮質ホルモン、エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンの材料となり、ホルモンバランスや、ムード、サーカディアンリズムなどと関わっています。
3、脳の神経組織の成分で、脳からの情報を身体中に運びます。
4、太陽の光の力を借りて、骨の生成や免疫システムにも欠かせない栄養素であるビタミンDになります。
5、胆汁の材料となり、脂肪の消化、吸収、そして脂溶性ビタミンの吸収を助けます。 コレステロールが私たちの体にとってどれだけ大切か、これを見てわかっていただけたのではないでしょうか。
私が低脂肪、オイルフリーを勧めない理由
コレステロールの多くは体の中で作られます。私たちが食事からとるコレステロールの量は全体のコレステロールの2、3割と言われています。食事からのコレステロールの量が多くなると体内で合成されるコレステロールの量は少なくなり、逆に食事からとるコレステロールの量が減ると体内で合成されるコレステロールの量が増えます。
コレステロール値が高いからといってたまごや油を避け、ノンオイルや低脂肪製品を選んでも、体内のコレステロール値はあまり変わらないと考えられています。 もちろん脂質の取りすぎは良くないですが、脂質は私たちの体に必要不可欠な栄養素です。健康的なコレステロール値を保つために大切なのは、普段から食事、運動、休息などに気を配ることです。
それでは、健康的なコレステロール値を保つために積極的に食べると良いもの、逆に程々にしておきたいものとはどのようなものでしょうか。
健康的なコレステロール値のバランスを整える食品、避けたい食品
食物繊維
余分な脂質が体に吸収されるのを防いでくれます。さらに、血糖値の急上昇を防ぎ、便のかさを増やし便通を良くしてくれます。ゆっくりと消化されるので、すぐにお腹が空くのを防ぎます。また、腸内細菌の餌でもあるので、腸内環境を整えてくれます。 無農薬や少ない農薬で育てられた野菜や果物を皮ごと食べましょう。水につけるか食べる前に軽くローストした生ナッツにも食物繊維が豊富に含まれています。お豆やできるだけ精製されてない穀物を適量とると良いです。
プロが教える!腸内環境を整える7つの方法。腸内フローラとは?
体が喜ぶ良質な脂質
オメガ3脂肪酸は体の中でつくることが出来ないため食事からとる必要があります。抗酸化作用があり、体の中の炎症を抑えてくれます。特に、さば、秋刀魚、いわし、鮭などの、油ののった魚に含まれているオメガ3脂肪酸の多くは脳の情報処理と深く関係のあるDHA、気分の浮きしじみや感情のコントロールに関係のあるEPAで植物からとれるオメガ3よりも体が使いやすいです。 オメガ3脂肪酸は酸化しやすい特徴を持っています。新鮮な魚をシンプルな調理法で食べましょう。出来るだけ精製されていない油を選び、酸化している油をとらないようにすることも大切です。
【完全保存版】脳が欲しがる栄養素はこれ!良質な脂質で幸せ脳を手に入れよう!
抗酸化物質を含む食材をたっぷり
ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールやカロテノイドなどの抗酸化物質は、炎症を抑える助けをしてくれます。色々な種類の新鮮な野菜や果物を普段から食べましょう。 抗酸化物質がたっぷりとれるレシピも見てみてください!
忙しい朝に、一晩置くだけ!カカオとベリーの大人のオーバーナイトオーツ
精製された糖質はほどほどに
糖質のとりすぎは、体の中の炎症の原因です。パン、ケーキなどの焼き菓子、白米などの炭水化物、特に精製された糖質の取りすぎに注意しましょう。精製された糖質にはあまり栄養素が含まれていなく、消化されるのが早く、たくさん食べても満腹感を感じにくいです。また、血糖値を急上昇、急降下させるので、すぐに甘いものが欲しくなったり、食後にどっと疲れがでたります。
糖質をついつい食べすぎてしまう。。。そんな方は、白砂糖の代わりに他の栄養素を含む生はちみつやメープルシロップなどを使ったり、白米に雑穀やお豆を混ぜて食物繊維を足したり、糖質をたんぱく質や脂質と一緒に食べるようにしてみましょう。こうすることで、いつまでもお腹が一杯にならないなんてことにはならず、今までよりも少ない量で満足できるようになります。
「何がヘルシーで何が健康に悪い」という考え方はやめて、体が本当に欲しがっているものを知り、できるだけ自然に近い形で食べることが一番ではないでしょうか。必要以上に脂質を避けていたなんて方は、今日から良質な脂質を食事に取り入れてみてください。
カナダで大学卒業後、健康志向の高い都市バンクーバーに移住したことで栄養や体の仕組みに興味を持ち、栄養学とピラティスを学びました。その後、栄養学校で身につけた知識を使い体質改善に成功し、幼少期から付き合ってきた数々の不調を改善することに成功しました。現在は、ホリスティック栄養士として、企業向けに栄養関係のコンテンツ作成、ナチュラル食品•製品の開発やマーケティングのアドバイスなどをしています。地球にも人にも優しいナチュラル製品が大好きで、美容家の間で噂のエイジングケアオイル、抗酸化作用がたっぷりの「カカイオイル」を販売しています。
RECOMMENDこちらの記事も人気です。
【体験談】親の認知症と介護〜Happy脳で支えるメンタルヘルス
アドラー心理学で幸運体質に!毎日をHappyにする3つのコツ
クレアチンの効果とスローエイジング〜美しく健康に年齢を重ねる〜
「オートファジー」効果で、秋はもっとキレイに健康に!
幸運体質になるための方法!ポジティブ心理学でわかりやすく解説
”繊細”という才能を最大限に発揮する〜HSPさんによい3つの行動
瞑想とチネイザンの相乗効果!心と体をリセットするセルフケア
孤独感を解消して、心から幸せな恋愛をする方法