この記事を書いた人
マインドフルネスコーチ/メンタルマネジメントスクール認定講師
Coai
はじめまして!
マインドフルネスコーチ/メンタルマネジメントスクール認定講師のCoai(こあい)です。
私たちはコロナ禍で、家族以外の人との関わりが一切なくなった世界を体験しました。
失ってみて初めて、当たり前だと思っていた人とのつながりの有難さを実感した方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、人との繋がりがあるからこそストレスや厄介事も増える、と気づいてしまった方もきっといますよね。
この記事では、友人関係の悩みから解放されるヒントをアドラー心理学の教えから探していきます。
7月30日は国際フレンドシップ・デー。
この日は、友人関係の重要性を再確認し、友人関係を通じて平和と友好を広げるために作られた記念日です。
あなたの心の中の平和が世界の平和に繋がります。
記事の終わりにあなたの友人関係のお悩みを解決するワークも用意しています。
是非、最後まで読んで、心から安らげる人間関係を築くtipsをアドラー先生から受け取ってくださいね!
すべての人の幸せに役立つ「アドラー心理学」
アドラー心理学は精神学者で心理学者、社会理論家だったアルフレッド・アドラーが約100年前に提唱した考え方です。
アルフレッド・アドラーは、フロイトやユングと並ぶ精神分析の先駆者として知られています。
「どうしたら幸せになれるのか」を追求したそのシンプルで実践的なアプローチは、ストレスフルな現代社会において多くの人々に役立つ心理学として今なお愛され続けています。
読者のみなさんの中には、「今まさに友達との付き合い方で悩んでいる」という方もいるかもしれません。
アドラー心理学は、正しさではなく、どうしたら悩み事を解決できるのかにフォーカスしています。
この記事を読み終わったあと「どちらが悪いわけではなく、お互いの価値観が違っただけ」と、ちょっと気持ちが楽になるはずです。
また、「ケンカはしたくないから、しんどいけれど何とかうまくやっている」という方は、アドラー心理学を知れば、快適な友達との付き合い方がわかって、色々と我慢してきた自分を解放してあげられるようになるでしょう。
一方で、「一人の方が楽だし、友達なんてもう面倒」と人間関係に疲れ果ててしまっているあなた。
あなたは大切な誰かのために、最善の努力を尽くしてきました。
本当によく頑張ってこられましたね…
「あの人とは友人ではいられなかったけれど、楽な接し方が分かれば、また友達を作ってみるのもいいかもしれない。」と、未来の人間関係に希望が持てるようになっていたら幸いです。
友達づきあいがしんどくなるのはどんなとき?
アドラーは幸福の三原則として、「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の3つの要素の必要性を掲げています。
幸福には欠かせない他者との繋がり。
ですが、その繋がりが逆に生きることを苦しくしてしまうときもありますよね。
では、どんなときにそうなってしまうのでしょう?
すべての問題は対人関係に由来する
アドラーが提唱する理論の中の1つ「対人関係論」の中で、アドラーは「すべての問題は対人関係に由来する」と言っています。
つまり今、あなたが友人との関係が快適なものでないと感じているならば、それはその人との付き合い方に問題があるということ。
対人関係に問題が生じたとき、大抵の人が自分の中か、もしくは相手の中に原因を探そうとします。
でも、相手の気持ちを操作して変えることはできないし、自分だけが我慢することも違う気がする。
そんな全く解決策が見えてこないような問題でも、関係性の問題とすることで課題が解決しやすくなります。
あなたらしく生きられる距離感
あなたは人とどのようにどのような距離感で関わっていきたいか、またどのような居場所が自分らしく幸福に生きられるか考えたことはありますか?
とくに大きな不満もなく生きていれば、あらためてこのことについて考える必要もないでしょう。
友達との関係性で感じた違和感・息苦しさ・嫌悪感などが起きてはじめて、私たちは自分がどんな生き方を望んでいるのかを知ることができるのです。
一見アンラッキーに見える出来事こそ、ウェルビーイングでいるためのスタートラインだと私は考えています。
アドラー心理学が考える幸せな人間関係とは?
アドラーは、対人関係で問題になる場面のことを端的にこう言い表しています。
「あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと(あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること)によって引き起こされる」
だからこそ、自分と他人の課題の境界線をしっかりと引かなければならない。
(前回のArisaさんのブログでも紹介されていたバウンダリーです!)
これが「課題の分離」という考え方です。
友人関係だけでなく、親子関係・パートナーシップに役立つ考え方なので是非、参考にしてみてください。
課題の分離って何?
そもそも「課題」とは何でしょう?
課題の分離における「課題」とは、個人が取り組むべき問題や責任のことを指します。
アドラー心理学では、幸せな人間関係を築くために、この「課題」を他人の課題と明確に区別することが重要と考えています。
言葉だけでは少し難しいので、具体的な例を挙げてみましょう。
課題の具体例
まず、自分の課題として挙げられる具体例は、主にこの3つです。
① 自分の努力やスキルによって得られるもの テストの成績やプロジェクトの成功など ② 自分の感情の管理 自分の感情をコントロールし、どのように反応するかなど ③ 自分が取るべき行動や選択 進学先やキャリアの選択、日常の小さな決定など |
一方、他人の課題として挙げられる具体例はこうなります。
① 他人の感情や反応 他人がどのように感じ、どのように反応するか ② 他人の選択と行動 友人や家族がどのような選択をし、どのような行動を取るか ③ 他人の評価 他人が自分をどう評価するか、どう思うか |
あなたが経験した問題場面を振り返ってみて、課題の分離はできていたでしょうか?
私は、課題の分離ができていなかったからこそ長い間悩み続けて、多くの時間を無駄にしてしまったな、と思い当たるところがたくさんあります…
友達づきあいにおける「課題の分離」ケーススタディ
さらに課題の分離の考え方をもっとリアルに感じてもらえるように、友達づきあいにおける課題の分離のケーススタディもご紹介します。
事例①ママ友からの気乗りしない誘いを断れないとき
Aさんは子供を持つ母親で、地域のママ友グループに参加しています。ママ友たちとの交流は楽しい時もありますが、最近、頻繁に行われる集まりに気乗りしないことが増えてきました。それでも、「誘いを断ると嫌われるのではないか」「付き合いが悪いと思われるのではないか」という不安から、無理をして参加しています。 |
まず、この場合においてのそれぞれの課題を分けて考えてみましょう。
Aさんの課題 | Aさんのママ友の課題 |
・集まりに対して気乗りしないという感情・参加するかどうかの選択・断るか参加するかの行動 | ・誘いを断られたときのママ友の感情・誘いを断られたときのママ友の反応 |
分けてみると、Aさんは「誘いを断ると嫌われる」というママ友の課題を引き受けてしまっていることがわかります。
Aさんの課題は、自分の時間とエネルギーを守るために、健全な境界線を作っていくことだけだったはずなのに、相手の課題を引き受けたことで、余計な心配事を増やしてしまっています。
事例②友人から許せない言葉をかけられたとき
Bさんは長年の友達とずっと良い関係で過ごしていましたが、ある日、その友人からBさんの価値観や信念を否定するような許せない言葉をかけられました。その言葉が心に刺さり、怒りや悲しみ、不信感が生じています。この状況にどう対処すれば良いのか悩んでいます。 |
先ほどと同様、この場合においてのそれぞれの課題を分けて考えてみましょう。
Bさんの課題 | 長年の友達の課題 |
・怒りや悲しみ、不信感・どのように友人に対処するか・ 許すか、距離を置くか、対話をするか | ・言葉を発した背景や動機・Bさんの対応に対する長年の友達の反応 |
分けてみると、Bさんにはひどい言葉であっても、友人の言葉は友人の課題なので、Bさんにはコントロールできないということがわかります。
その代わり、許すか、距離を置くか、対話をするかはBさんの自由です。
また忘れてはいけないのが、それに対する友人の反応も友人の自由なのです。
このように課題を分けることで、それぞれの価値観を大切にした上で、お互いが心地良い距離感をやがて見つけることができるでしょう。
友達づきあいの悩みを解消「ジャーナリング」3つのSTEP
それでは、課題の分離を実際にあなたの事例に活用してみましょう。
そのために、3ステップのジャーナリングワークを用意しました。
STEP①モヤッとした瞬間を切り取って、それぞれの課題を書き出す STEP②それの嫌だったこと・本当はどうなりたかったを書く STEP③これからどんな付き合い方がいいかを書く |
さて、ここまで書いてみてどうでしょうか?
あなたのやるべきこと・やらなくていいことがわかったのではないでしょうか。
また、一方でわからなかったという方もいますよね?
素晴らしい!それも大切な気づきなんです!!
「今はまだわからないから何もしない」というのもひとつの答えです。
「なんとなく何もしない」と「あなたが決めてしない」には、大きな違いがあることはあなたが一番良く分かっているはず。
友達づきあいを楽にするアドラー心理学|まとめ
友達づきあいがしんどいと感じるようになったとき、あなたのどこに原因があるのかを探さなくても大丈夫。
大切なのは、自分にとって心地よい関係性に気づくこと。
という人間関係に対するアドラー心理学の考え方をここまで解説してきました。
最後に、友人関係に悩んでいるあなたに、アドラー先生からの大切なメッセージを贈ります。
それは「ありのままのあなたそのままを受け入れてください」ということです。
まずは、他人より先に自分自身を理解し、受け入れることが快適な友人関係を作る土台となります。
自分の長所だけでなく短所や失敗も含めて、自分をそのままの存在として認めることができれば、他人の評価や意見に振り回されずに生きることができます。
そして、どんな人もそれぞれの人生を主人公として生きる権利を持っています。
お互いにお互いのどこに原因があるのかを探すのではなく、どうしたら双方にとって心地よい人間関係でいられるかを考えて行動することができたなら…
きっと世界も平和になるに違いありません!
まずはあなたから始めてみませんか?
参考文献:「アドラー心理学×幸福学でつかむ! 幸せに生きる方法」(ワニブックス、平本あきお・前野隆司著)
RECOMMENDこちらの記事も人気です。
世界的に「サウナー」増殖中!?サウナの健康効果と正しい入り方
ぐっすり眠るための朝の習慣!【よくわかるイラスト解説】
【暮らしのアロマレシピ】お肌やデリケートゾーンを保湿をしよう
ことばの魔法で”弱みを強みに”ポジティブに変える!
薬剤師が伝える女性のための“ハーブ療法”セルフケアガイド
何歳になっても愛される女性に♡ヨガで女性性を高める秘訣
免疫力アップで心も体も守る!親と私のためのフレイル予防
“ゆらぐ”私の体験談「フェムケア」で見つけた心と身体のバランス