この記事を書いた人
ヨガ講師
Yumiko
4月から日本では新しい年度が始まります。
新しい生活、新しいリズムが始まった人も多い時期ですね。
新しい環境や新しい人との出会い。
「新しいこと」にはワクワクする楽しい気持ちと、ドキドキ緊張したり不安に感じる気持ちが入り混じるものです。
自分で思っている以上に実は精神的に疲れを溜め込みがちな時期でもあります。
また、新しいことに意欲高く取り組む中で、休むことを後回しにしてしまうことも起こりがちです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」昔から言われている通り、何事も「バランス」が大切ですね。
このブログでは、つい頑張りすぎてしまいがちな私の体験談を交えながら、頑張り屋さんが上手にバランスを取るための3つのヒントをシェアします。
ヒント1「休むことを許可してあげる」
熱心に勉強する、習い事をする、仕事をすること、忙しいことは素晴らしいことである。とされ、頑張っていることを評価されやすい環境がまだまだあるように感じます。また、変化やスピードが早いこの時代に生きている私たちは、周りの人が動いている中、自分が動きを止めることに罪悪感を感じやすくなっているのかもしれません。特に、責任感が強い人ほど「まだやるべきことがある」と思い込み、自分を追い込んでしまうことがあります。
また、目の前のことに夢中になれることは良いことですが、弊害として、休むことを忘れていたり、休むことを後回しにしてしまうことも起こります。
実は私自身が陥りがちでした。学生時代、会社員時代、子育て&専業主婦時代。これまで何度も失敗を繰り返してきました。周りの人が心配して、「ちょっと休んだ方がいいよ」と声をかけてくれても、「自分はまだまだ足りないから休んではいけない。」と自分で自分に休むことを許可することができなかったのです。
体調を崩すだけでなく精神的にも参ってしまい、まるで闇の中にいるような気持ちになったり、自分は価値のない人間だと感じていた時期もありました。
頑張ることは素晴らしいことだけど、頑張り過ぎて体や心を壊してしまっては元も子もありません。
頑張っている時には、交感神経が優位になり、アドレナリンがたくさん出ます。「集中できる」「パワーがある」と感じられる時がその時です。アドレナリンには、疲れや痛みを感じにくくする効果があります。そのおかげで頑張れるのですが、注意も必要です。自分でも知らないうちに、実は限界を超えていた、ということが起きるからです。頑張れば頑張れてしまう人こそ、意識的に休みをとって欲しいです。
私たちは、人には「無理しないでね」と優しい声をかけてあげられるのに、自分自身にはなかなかかけてあげられないものです。だからこそ、「休んでいいんだよ」と自分自身にも優しく、お休みする許可を出してあげましょう。
エネルギー切れでは動くことはできません。どんなに高性能な車でもずっと走り続けることはできません。止まって、ガソリンを入れて、メンテナンスしてあげることで、持っている力を発揮できるのです。
私たち人間も同じです。休むことは怠けることではありません。次に向かって進むための大切なステップです。体も心もしっかりとお休みさせてあげることで生産性が向上することは、科学的にも証明されています。
ヒント2「頼り上手になる」
人に頼ることは、苦手な人の方が多いかもしれません。「頼ることはよくないことだ。」「人に迷惑をかけたくない。」と思ったり、「自分でやった方が早い。」と思うこともあると思います。時と場合にはよりますが、頼ることは悪いことではなく、むしろ良い面もたくさんあります。
初めての子どもが生まれ専業主婦だった時、私は育児や家事は全て私がやるべきだと思っていたので、主人にお願いするのがとても嫌でした。主人が家事や育児を手伝ってくれようとしているのに、主人に頼ったら私がやる仕事がなくなり、自分の存在価値がなくなると思っていたのです。主人は外で仕事をした上に、帰ってきても家の仕事をしている。それに比べて私は外で仕事をしていないのに、家の仕事までやってもらったら私の価値ってなに?と。でも、自分一人で家事や育児を全てやることを心から楽しみ満足して幸せを感じていたかというとそうではなくて、むしろ逆。笑顔を失いイライラしがちでした。
「自分でやった方が早い。うまくできる。」とも思っていました。主人が洗濯物を干すと袖が中に折り込まれたままで乾かなかったり。子どもを抱っこしてくれてもなかなか泣き止まず、私が抱っこした方が早く泣き止むことが多かったり。お買い物を頼んでも、お願いしたものと違うものを買ってきたり。子どもたちがお手伝いしようとしてくれる気持ちは嬉しいけれど、教えるのに時間がかかったり、うまくできないから結局自分がやり直すことになったり。「自分でやった方が楽じゃん!」って。
だんだん人に頼ることができるようになってきた中で、今では、頼ることのネガティヴな側面よりも、ポジティヴな側面を多く感じています。1つ目は、頼られた相手も、自分が役に立つ喜びを感じられるということ。主人には「頼ってもらえると嬉しいんだよ」と言われてきました。私も、ママ友との関係の中で、頼ってもらえる喜びを感じてきました。子どもたちもそうです。お手伝いした時の子どもたちはとても嬉しそうで、自信に満ちてもいます(子どもたち自身がお手伝いしたい!と思った時に限りますが笑 やらされてやった場合は不満に終わります)2つ目は、信頼関係が深まること。頼ってもらえると、自分もその相手に頼りやすくなり、お互いに信頼し合える良い関係を築くことができました。子どもが小さかった頃のママ友とは、大変な時に助け合った絆で結ばれていて、転勤で離れ離れになった今でも良い関係が続いています。3つ目は、効率的に物事を進められること。必要な時に子どもを預け合えることで、子どもたち全員を引き連れて行くよりも効率的に買い物に行けたり、送り迎えができたりしました。一人だけで頑張るよりも、心の中にスペースができて、笑顔でいる時間が増えて、子どもたちにも良い影響があったと感じています。
私たちは一人で生きているわけではありません。仕事でもプライベートでも、周りの人と協力しながら、支え合いながら生きています。一人だけで頑張ろうとするよりも、誰かに頼ることでこの世の中の優しさに触れることになります。また、自分が助けられるだけではなく、自分も誰かの助けになれるという喜びや自己存在価値を感じられるものです。
ヒント3「溜め込まない」
私たちが食べたものは、必要なものは体に吸収され、不要なものは体の外に出されます。不要なものを溜め込まない機能が元々備わっていますが、例えばトイレを我慢しすぎると、本来持っている排泄の機能が狂ってしまいます。
心も同じように、溜め込むと良くない感情を出す働きを持っています。小さな子どもはよく泣きますが、泣くことでネガティヴな感情を出しています。泣いた後は嘘のようにケロッとしています。大人でも涙を流した後にスッキリしたという経験があると思います。でも、成長とともに我慢することを覚えます。それが必要な場面もあるけれど、ネガティヴな感情を溜め込むことにも繋がります。
こうして私たちは、日々の暮らしの中で、様々なことを、体にも心にも溜め込んでいます。
「ちょっとしたこと。これくらいのこと我慢しなくちゃ。」と思うことも、「塵も積もれば山となる。」風船に空気を入れすぎると爆発するように、一つ一つは小さいモノでも、ネガティヴな感情を溜め込みすぎると心も爆発してしまいます。それを回避するためには、心の中にあるネガティヴな感情を言葉にして心の中から外に出してみましょう。誰かに相談するも良し。ノートに書き出すも良し。言葉にすることで気持ちが整理され、少しずつ軽くなっていきます。私にとっては、子育ての戦友であるママ友と話すことで気持ちが軽くなり、リフレッシュになっていました。
しかし、そのリフレッシュ効果は長くは続きませんでした。
育児や介護など、誰かをお世話する立場にある人がやりがちなのが、自分のことを後回しにすること。私も子どもたちが幼いころにやっていて、これがリフレッシュしてもすぐにモヤモヤした気分になっていた原因だったと感じています。
本当は一人の時間もほしい、やりたいこともあるのに、「今は仕方がない。ずっと続くわけじゃないから我慢。」と自分を納得させようとしていましたが、心の奥底ではそれを良しとできなかったから、不満となって溜まっていきました。後からわかったことですが。そしてイライラやモヤモヤを自分の中だけに収めておくことができずに一番身近な家族の前で出してしまい、そんな自分に嫌けが刺し、家の雰囲気も悪くなっていき・・・。不満を溜めておく箱を大きくしようとしても、それにも限度があって最終的には壊れてしまい、不満が外に溢れ出していたのです。
主人によく言われていました。「お願いだから息抜きしてきて。」「何か好きなことしてきて。」と。でもその当時の私は、「お母さんというものは我慢して当然。自分のことをやるなんて!」と思っていたので、せっかくの言葉を聞き入れることができませんでした。ヨガと出会ったことが私にとって大きな転機となり、自分の中での常識や思い込みに囚われ、自分で自分の首を絞めていたことに気づきました。お母さんという肩書を外した「わたし」の思いを大切にできるようになり、我慢すること、溜め込むことが少なくなりました。
「お母さん」以外にも、人は誰しも立場や肩書があるものですが、そういうものを取り払った「わたし」であることを大切にしてあげることも、溜め込まないために大切なことだと感じています。
「アクティヴ・レスト」のすすめ
最後にもう一つ!
プラスアルファでシェアしたいことは、「アクティヴ・レスト」しましょう!ということ。
休息には2つのタイプがあり、一つは静かに体を休めてあげること。
もう一つが「アクティヴ・レスト」と言われ、あえて軽く体を動かすことで、巡りを良くして、疲れを解消する方法です。
軽く体を動かすことで幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され、自律神経が整いやすくなり、イライラやストレスを解消することも期待できます。
ポイントは3つ
①息が上がるほどハードではない動き。
②気軽に続けられること。
③心地よいと感じられること。
近所のカフェや公園までお散歩することや、簡単なヨガの動きもおすすめです。
私はヨガに出会ったことで、その当時強く感じていた育児のストレスを解消できました。ヨガ哲学にも助けられましたが、ヨガで体を動かすことにも助けられました。その当時は「アクティヴレスト」という言葉は知りませんでしたが、ヨガをして心身ともにスッキリする感覚は、まさにアクティヴレストです。
Arisaさんの短い時間でできるヨガをいくつか紹介します。どれも10分前後でできる簡単なヨガなので、ぜひ生活の中に取り入れてみてくださいね。
7分朝ヨガで全身リフレッシュ 初心者にも優しいシンプルなポーズ
モヤモヤ解消 考えすぎの時におすすめのリセットヨガ
ぐっすり眠れる 8分で疲れを癒す 簡単夜ヨガストレッチ
さいごに
早い人では4月末からGWのお休みが始まりますね。
このGWをきっかけに、張り詰めていた気がぷつんと切れることで起こりやすいのが五月病。
その予防のためにも、「意欲的に取り組むこと/休息すること」このバランスを大切にしながら過ごしましょう。
ヨガ講師
4人の子どもたちの母。転勤族の妻。
自分に自信が持てず、何をしてもいつもどこか満たされない感覚があった日々。
育児に疲れ切っていた頃、主人の勧めでヨガに出会い救われた経験からヨガ講師になりました。
「自分にやさしく、正直に」の思いでヨガをお伝えしていますが、これは、自分に厳しく、自分を偽っていた私自身に向けてのリマインダーでもあります。
情報が多く、忙しい現代社会。無意識のうちに力んでいたり、いつも何かに追われているようで、休むことを許せないのは、過去の私だけではないと感じます。
みなさんの体も心もほぐされ、ゆるまり、解放される感覚を味わえますように。
「わたし」であることを取り戻し、本来のその人らしさを取り戻せますように。
そう願いながら、ヨガ講師の活動をInstagramで続けています。
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