先日、いつもお世話になっているバンクーバーの現地情報を伝えているライフバンクーバーの王子さんとご飯を食べていた時、
『なんでヨガなんですか?ヨガの何がいいんですか?』
と純粋な質問をされた。彼は私にインタビューをしてくれた人でもあるのだけど、その時も彼と話していると自分の思いが鮮明になっていったり、その後も色々考えることができた。そして今回も… まったく、彼の質問は率直で、毎回考える機会をくれる。ヨガをしている者同士がヨガの良さを語る時、いちいち説明しなくても通じる所がある。でもヨガをしていない人に『なんでヨガ?何がいいの?』と聞かれて頭の中では分かっていたつもりが、言葉にするとうまく説明できなかった。
『ヨガは”つなぐ, to unite/ to yoke”っていう意味なのよ。呼吸とポーズを通して、体とマインドとスピリットをつないでさ…. 』
『ファシャ(筋膜)に働く数少ない動きの一つと言われてるんだよ。筋膜にはエネルギーのチャンネルがあると言われててさ…』
なんて、シャンディーガフを片手に、焼き肉を食べながら、知っている単語を並べてみたが…私も何を言っているか分からなかったから、聞いている彼もさっぱりだっただろうな…(・・;)
ヨガをするようになって学んだ事はいっぱいある。それはおいおい書いていきたいと思っている。そもそも私がヨガをする、そして続けられている理由は、
『ヨガをした後は毎回気持ちがよくてHappyな気分になるから。頭も体もスッキリして、地に足がつき、落ち着いた態度(Feel grounded)になるから』
私は父親に『ヨガなんてものは宗教だぞ!!』と言われたことがある。
ヨガの哲学や歴史的背景を考えると、そう言うのもなんとなくわかる。だいたいオウム真理教は「ヨガ」を導入していたしね。そんなお父様の血を少なからず受け継いでいる私は(笑)、ゆっくりした動きのスピリチュアル重視なヨガには初め興味がなく、カナダに来てから汗をたんまーりかくビクラムヨガというホットヨガにはまった。
40℃、湿度40%というとにかく暑い部屋での90分間のクラス。ポーズは難しいものは一切なく、しかも毎回同じ26種類のポーズ。
かく汗の量ははんぱじゃない!肩こりもなくなる!代謝よくなる!肌も綺麗になる!体重増えなくなる!痩せる!終わった後の爽快感たまらない!暑いの大好きな私にはサイコー!
と、とにかく、フィジカル面の効果あり、運動の一部としてのヨガが好きになった。1年半はこのホットヨガのみをやり続けた。やっていくうちにメンタル面の効果も気づいていくようになった。そしてティチャートレーニングをとり、他のタイプのヨガもやりだした。
でもどのタイプのヨガをしても、ヨガ後は気持ちがよく、Happyな気分でスタジオをでるのはかわらなかった。
「私達が幸せと感じる瞬間や、最高だと思う瞬間にはパターンがある」
メンタルコーチ、作家であるJon Wortmannはハッフィントンポストの記事:『Why yoga works』でこういう。記事の中ではヨガを例にあげてそれを説明している。そのパターンとは、
1段階:Being centered – 気持ち、思考を落ち着かせ、ゆるがない自分の軸をもつ。今この瞬間に目を向ける。
例えば、アスリートが試合前の慣習的行為をしたり、ウォーミンングアップをしたり、ミュージシャンが発声練習をしたり、楽器の音合わせをしたりするのがこの第1段階になる。
2段階:Being focused – 何が今一番大事かを見極め、それに集中する。その瞬間に100%集中すると、心配だとかイライラしたりする気持ちが静かになっていく。
アスリートは観客のことなど考えずに自分の試合に100%集中する。ミュージシャンも自分の演奏を100%楽しむ。会社の商談では自分の伝えたいことに集中する。結果を考えるのではなく、今自分のするべき大事なことに100%の力を降り注ぎ、集中する。
3段階:Self-check – 経験を振り返って、自分はどんな気持ちなのか、価値があったのか、もう一度したいかを確認して脳に記録する。
デート後に「楽しかったな。また会いたいな」と思ったり、走った後のストレッチや、試合や演奏をふりかえって次回こうしよう、またしたい!と思うのはここにあてはまる。
「最高の瞬間だった!楽しかった!すごくHappyだ!またやりたいな!」
と思った出来事を思い出してみてほしい。なんとなくこの3段階のパターンにあてはまるような気がする。例えば、私はコンサートやミュージカルや芸術を見たりとかするのが好きなのだが、それも
1段階:コンサート前の静寂さ、2段階:コンサートに集中して楽しむ、3段階:「いやーすっきりしたよね!また来たいわ〜」となるわけ。
え?無理矢理すぎる… ? まーまー。(^▽^;) ぶっちゃけた話、sexだってこのパターンにあてはまる。
ヨガはこの「幸せだ、もっとしたいな」と思うパターン、3段階をしっかり誘導してくれるのだ。
1段階:仕事後や忙しい日常からわざわざヨガをする時間を作る。最初はだいたい呼吸のエクササイズをして気持ちを落ち着かせたり、チャイルドポーズで心を静めたりする。
2段階:呼吸を通してポーズに集中する。
3段階:ヨガの最後は必ず”シャバーサナ、Shavasana”と呼ばれる仰向けに大の字で寝るポーズで終わる。体のすべての筋肉がリラックスしていくのを感じながら、頭の中もリラックスして床にとろけていく。ヨガ前に、日常で心配していたり、イライラしてたことがだんだん頭の中から消えていく。終わった後は「なんかすっきりしてHappyな気分だわ。またしよ〜」となる。
このパターンを気づかないうちに実践している人はいっぱいいる。趣味がいっぱいあったり、何か心から好きなことがある人達は、もともとこういう感覚が身についているんだろうな。私はその感覚がない人だった。
ヨガを通してこのパターンを知らないうちに理解していたのだと思う。そして、これは人生にもあてはめることができて、人間関係、仕事などでもこの3段階があれば、ストレスな出来事の中にも幸せを見つけていくことができるのではないだろうか。もしかしたら好きではない仕事の中にも楽しさを見つけることができて、好きになっていくかもしれない。
子供の夜泣きがひどくて寝れない毎日が続いているとしよう。
「なんで泣くの〜?泣き止んで〜!まじ無理〜!」って思ってイライラしながら泣き止ませる親と、上記の3段階をあてはめて、
まず、自分の心を落ち着かせ、そしてだっこしたり、揺すったり、子供を泣き止ませることに試行錯誤し集中する、そしてスヤスヤ眠った天使のような我が子を見ながら幸せを感じる親とでは「子供の夜泣きがひどくて寝れない」というストレスに対しての対応の仕方、感じ方が違うのではないか。という私、子供はいないので、この大変さわかりません…
私はマッサージの仕事が好きだ。好きな理由のひとつとして、マッサージをした後は自分の心が穏やかになって落ち着くからというのがある。さすがに4−6時間した後は「つーかーれーたー…. ( ̄△ ̄)この仕事いやぁ〜!」となるのだが。(笑) でもマッサージをした後に心が穏やかになるのは、マッサージにもこの3段階があてはまるからかもしれない。マッサージをする前は自分の軸をしっかりさせて、心を落ち着かせる。トリートメント表のお客さんの名前をみながら「Thank you」とつぶやいたりする。そして、マッサージに、お客さんの体に集中する。終わった後、今のトリートメントがどうだったか振り返る。
『Centre – Focus – Self check』
これは私がヨガをした後に幸福な気分が味わえる、だから気持ちがよくてやめられない理由のひとつであり、人生に幸せと感じる瞬間をいっぱい見いだしていく秘訣のひとつかもしれないな…
ヨガ&瞑想インストラクター/Wellness To Go主宰
愛知医科大学を卒業後、医師として働き、語学留学をきっかけにカナダ、バンクーバーに移住を決意。バンクーバーでヨガや瞑想に出会い、マインドフルネスなライフスタイルに興味を持つようになる。医師、マッサージセラピストとしての経験を通し、体とマインドへの深い興味と理解を持ちながら、YouTubeチャンネル「Wellness To Go by Arisa」を通して、多くの人が幸せに自分らしく生きていく手段をシェアしている。チャンネル登録者数は18.8万人、毎週行なっているライブヨガレッスンは800人近くが参加する。著書「バンクーバー式ウェルネスヨガ」を通し、心と体に意識をむける習慣作りを多くの人に伝えている。
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